Episode 049 爆笑! 目覚めに見たものは。


「それにしても……」


 と言いかけるも、クスッと笑いが堪え切れない春日はるかさん。私と陸君りっくんの顔を見るなり。



 確かに、笑う門には福来るだけど、「なあに、その顔。二人揃いも揃って、目の周りがパンダさんみたいになっちゃって……」と、もうツボにまでハマってしまって、納得も納得で、お互いに放った正拳突きは、お互いの顔にヒットし、そのまま後ろ向いて倒れた。


 当たった個所や倒れ方、そのタイミングまで何もかも同じ。


 春日さんは心配よりも、爆笑の渦にハマっていたとのこと。


 今もそう……心配よりも。それでもって陸君も、頬が緩みクスッ……と、笑った。そうそう、笑ったの。さらにそれでもって「何だよ、そら、お前の顔」という具合に。ちょっとムッときたけど、良かったの方が断然大きかった。いつもの陸君に戻りそうだから……


「空、学園の編入試験だ。一に稽古、二に稽古だ」


 と、見てわかるように、いつもよりも明るい感じの陸君。バージョンアップまでしちゃったの。その横で春日さんは「何を偉そうに、それは空ちゃんが言う台詞でしょ」


 と、ボソボソと。聞こえないように言っているつもりでも、私の耳には聞こえちゃうのだよ。意外と地獄耳だから。でも結果オーライだから、とても満足、大満足だから……


 夏の風物詩、風鈴は、そのムードを盛り上げる。


 畳のお部屋、卓袱台。そこでのお勉強は効果抜群で、私も陸君もカキカキしながら、


「ホントあなたたちって、見事なシンクロ率だね」


 頬杖を突きながら、春日さんは呆れ顔のようで、驚きの顔も織り交ぜて「イーブンゲリオンなら、とても高い戦闘力を発揮しそうね」と、言うものだから、


「劇場版、上映中だ。よし、明日、明日見に行こう、空も春日お姉も一緒に」と、私が言おうとしたら先に、陸君が言っちゃったの。因みに、アニメの好みも同じだなんて……


 昔からだったの。


 ロボットものもそうだけど、戦隊ものも大好きだから。いずれは海陸空で揃うの……



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