第7話 潜入劇と2大組織と
「それにしても、2人は付き合っているの?」
「2人とは?」
「ん?
「魅空さま、魅空さま。透螺さんは茉仁荼が好きらしいです!」
「彼女、もとはロンペルにいたからね」
一瞬目を見開いて、納得したように言う。どうしよう、と悩んだのち放置することにした。
「で、抗争派なのは誰なの?」
「最近幹部になった女で、
ロンペルは
「待って、その女はウルフヘアで毛先を赤に染めて八重桜の瞳と
何かを思い出したらしく少女が問う。
「うん、多分そんな感じだけど」
「1本裏の通りに花街があるでしょ?そこの
思ってもみないような場所に、彼女がいる。全員が言葉を失っていた。しばらくして茉仁荼が口を開く。
「年季も明けない妓女がなんで
「あの花街の裏にいるのは人身売買続行派の政府の人間がいる。年季を短くするかわりにスパイでもさせてるんじゃないかな」
そこでニヤリと笑った。
「じゃあ、とりあえず妓女になってくるわ」
誰も、想像すらしなかった少女の潜入劇の開幕であった。
「今日からしばらくお世話になります。名前はございませんが
10になるまで令嬢として育てられていたが、経営していた会社の倒産により多大なる借金を背負った家族のために身売りを決めた、という設定だ。
この
「澪綾、というのね。なにか特技はあるかしら」
「詩歌は得意です。あと、将棋も少しできます」
「そうね、澪綾は中級妓女からよ。頑張って上までおいで」
これが彼女とした最初の会話。
━━2ヶ月後。少女は
静藍は落ち着いた優しさのあるひとだった。黒髪に菖蒲の瞳、といたって平凡な色彩。そこに彼女の柔らかさ、美しさが合わさっている。なんといっても売りは癒しと母性。静藍もまた身体ではなく芸を売る妓女だ。
一方楼花はかなり激しい気性の人物だ。ときには禿にも当たるので、距離を置かれがち。赤メッシュの黒髪のウルフヘア、八重桜の瞳と
澪綾━━濡羽は楽しむばかりでまるで緊張感など持たないのであった。
現在公開可能なキャラクター情報
ロンペルで最近朱雀の位になったという女性。ウルフヘアの毛先を赤に染めて八重桜の瞳と
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