青年期 19
…翌日。
「…報酬の準備が出来たようだ」
「お。ありがとう」
昼過ぎに陣営の方で知り合いのハンター達と雑談していると、兵士がやってきて報告をすると直ぐに去って行く。
「さーて、じゃあ報酬を受け取りに行きますか」
「そうだな」
「おう」
「今回は二週間しか居なかったから報酬も少ないだろうなぁ…」
「…ソコが日割りの厳しいところだな…」
俺が合図をして立ち上がると知り合いのハンター達も立ち上がり、一緒に報酬の受け取りに行く事に。
「えーと…紹介状を出してれば報酬はギルドで貰えるんだっけ?」
「…そういやお前さんは今回が傭兵としての初めての仕事だったな。そうだ」
「紹介状が無ければ確認作業で報酬の受け取りに時間がかかる」
「結構待たされる事もあるみたいだよね」
町の中に入って俺が確認すると男が笑いながら肯定し、ハンターの一人が説明するように話してくれる。
「…うわ、結構混んでる…」
「みんな早く報酬が欲しいんだろう」
「座って待っとこうか」
「そうだな」
ギルドの建物に入ると意外にも人がいっぱいいたので俺らは適当に空いてる席に座って人が減るのを待つ事にした。
…そしてみんなで喋りながら待つ事、約30分後。
「お。そろそろ並べそうだ」
「意外と早かったな」
並んでる人の数が減って来たので俺が席を立つとハンターの一人がカウンターの奥で忙しく動いている職員達を見ながら返す。
「報酬の受け取りですか?」
「はい」
「…少々お待ち下さい」
5列に分かれてる内の一つに並んでると俺の順番が来て受付のお姉さんが確認してくるので、ライセンスを出しながら肯定すると俺のライセンスを別の職員に渡した。
「…こちらが報酬になります」
「ありがとうございます」
すると少し待ったぐらいで直ぐにライセンスとお金を渡して来るので俺はお礼を言いながら受け取る。
「意外と早く受け取れるんだ」
「紹介状に書かれてる名前とライセンスを照会するだけだからな」
「へー…でもこの人数ともなると大変そうだ」
俺がさっきの席に戻って座りながら言うと既に戻ってたハンターの一人が説明し、俺は次から次へとやって来る人数を見ながら同情するように返した。
「…次はどこに行くつもりだ?お前さんと行動を共にすれば生き残る確率が高くなりそうだ」
「あー…確かに」
「…確実に戦いが楽にはなるだろうな」
「それに…面白そうだ」
みんなが戻って来ると男が俺に確認するように尋ねて理由を話すとみんなも納得しながら賛同するかのような反応をする。
「うーん…今度は西の辺境伯の所かな。ダンジョンに行ってからだから移動は来週ぐらいになると思うけど」
「ほお…わざわざあんな遠くまで…」
「内戦には参加しないって決めてるから。だって自国民同士で戦うと終わった後大変でしょ?」
「ははは!それは確かに!」
「なるほどな」
少し考えて次に傭兵として参加する場所を教えると男が不思議そうに呟くので理由を話すとみんなが納得しながら笑う。
「しかし移動が来週となると…」
「先に行って待つ、という手もあるか…」
「しばらく休養に当てて出発する、という手もあるぞ」
「今回はみんな半年分以上は出たんじゃない?予想より報酬が増えてたけど」
知り合いのハンター達が予定を考えていると他のハンターが報酬の話をし始めた。
「うむ、そういえば…二週間で得られる報酬ではないような額だったな」
「…俺も5日しか働いてないのにかなりの額だったな…」
「まあお前さんの場合は戦果報酬が上乗せされたんだろう」
「うん。逆にこれで僕らと同じだったら驚くよ」
ハンターの一人が肯定するので俺も乗っかって報酬の話をすると男が納得するかのように予想して他のハンターも同意する。
「まあこれだけ貰えたら食費とか移動費の心配が無くなるからありがたいもんだ」
「…そうか。費用をみんなで出し合って馬車で移動する、という手もあるぞ!」
「あー…!」
「なるほど…!」
俺が笑って言うとハンターの一人が何やら思いついたような提案をするとみんな驚いたような反応をした。
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