第8話


私たちは、扉を開けて中にいる奴らを懲らしめる為に。そこに入るとやはり魔族らしき角と羽が生えた魔族の貴族らしい奴がいた。

その隣にいる魔物は、ここのボスであろうミノタウロスの見た目をした体が真っ黒な姿だった。


名ずけるならブラックミノタウロスとでも言えばいいのだろうか?そして、悪魔であるあの町を滅ぼそうとする奴がニヤリと笑いながら私たちを見る。


それを見た私は奴に────


「やっと叩き潰すことが出来るのね。」


そう言って、溢れんばかりの怒りでオルトなる黒幕を苛立ちながら睨みつける。すると奴が口を開いて告げる。


「よく来たな、俺はオルト人間風情か我々の邪魔をしたことを後悔させてやろう。」


「ふ〜ん、貴方のような小者三体ほど倒してるけど、その中ではまぁマシな部類ね。しってる?貴方の計画をことごとく、潰されてる人達がいるってことを。」


そう言うと、驚いたようにこちらを見るオルト。そしてそんなオルトが呟く。


「そうか、同胞たちの挙げられていた人物、それがお前たちということか、確かに赤髪の女が我々の計画を潰していたという報告は受けていたが、それにしては魔力量は大した事はないのだな。先程の魔物達の群れによって使い切らしたのか?」


そう言って少し慌てていた黒幕でおるオルトは、調子ずいて挑発的な言葉で私にそう告げるように言う。だがしかし私自身に施していた魔法術式を解くと、青ざめた様に私を見る。


そうこの時の為にダンジョン内に入って仕込んだ魔法で、私自身の魔力量を一定数封印すると言う何とも馬鹿なことをしていた。

だけど、私はそうするような理由があったのだそれは────


「何故縛るようなことをするのですか?」


「え?それはそうした方が相手がもし魔力量を図ることが出来たら即座に逃げるかもしれないし、それに....」


「それに?」


「その方が、何だか凄くかっこいいと思うの、それにねその後封印を解いて相手の青ざめる姿を見たら、凄くやった感あるでしょ!」


そういう流れは、異世界転生特有の1度でいいからやってみたいランキングでも上位に上るようなモノだし、それを知ってる私はいつかやってみたいと思っていたのだ!!


子供っぽいって?そんなの好奇心の前では大人も子供も違いはないわ!!だからこんなことをして楽しむのは強者の余裕と言うものなのだ。


そして私は封印魔法を解き放って相手をどん底へとたたき落とすことに成功する。

今だ、かつてないほどに心の中では達成感を味わっている私に、オルトは言い放つ。


「お、お前の様な化け物が存在していい筈がない!!なんなのだその魔力量は!!」


「貴方に化け物呼ばわりは癪だけど、死にゆう者の情けとして教えてあげるわ、毎日欠かさずに、私の周りに薄い魔力の膜を貼って過ごすだけよ。」


そう言って私は話を続ける。


「まぁもう癖みたいになってしまったけど、これが意外と便利でね、相手の気配も探ることが出来るし、何よりそれがどんなモノ感情かも、大体わかるようになってきたのよ。」


そう言って私は、隣にいるオリビエを見る。

いつもと変わらず、綺麗な顔をしているけど、オリビエに関してだけは、何かに守られているのか、感情が分かりずらい部分があるから、一概には便利という訳ではないのよね。


それを聞いたオルトは、少し震えながらこのボスであろうブラックミノタウロスに命令する。


「あんな化け物がいて言い訳がない!!行け!!私が逃げる足止めをするんだ!!」


『グモォォォォ!!』


そう叫ぶブラックミノタウロスは、私たちの所に突進してくる。それを私は冷静に氷魔法でブラックミノタウロスの前に障壁を作る。

そしてぶつかって来た時に、私は囲うように障壁をブラックミノタウロスの周りに、隔てる。


そんな中、オルトは戸惑うようにしていた。


「なぜ、発動しないのだ!?」


「それは私が教えてあげます。あなたが転移魔法を使えないように、私の結界魔法をこの空間内を包むように貼っているからですよ。

それに逃げる様なことは想像できてたので、貴方が私たちに話していた時点で、貴方の敗北は決定してたんですよ。」


私はそう言って、オルトを見遣る。


オルトは少し悔しそうにしていたが、私を見るのではなく、私の近くにいるオリビエに目をやり、ニヤッと笑いながら告げる。


「お前を倒せなくてもお仲間を狙う事なんて造作もないんだよ!!」


そう言って凄まじい速さで、オリビエを狙うが――――


「ぎゃぁぁぁぁああああ!!」


近づいてオリビエの腕を掴もうと近くにいったら、腕が焼かれたように黒く染まる。

これは、こんがり焼けましたと言っていいほどの荒れた腕、そんな中オリビエは顔は笑っているけれど、どことなく殺意をまだ酔わせてオルトに向かって話す。


「あなた方魔族は、神聖な力に弱いのでしょ?私はこの国の聖女なのですよ?私なんかを人質にとろうなんて、悪魔の方はバカの集まりなのですか?」


「そういわないであげなさいよ、この状況だと、それしか方法がなかったのだから」


「だけど、エレイルも人が悪いですよ?ほとんど抜け出し皆無じゃないですか。だってこの結界、効果転移阻害だけじゃないでしょ?」


「は?な、なんだと?」


そう言ってオリビエは、少しだけニマニマしていた。


「まぁ、改めて説明するの本当はめんどうだけど、最後にしに行く貴方に、いって上げましょう。この結界魔法は、転移を阻害する他にあと2つ効果があるの、それは相手の身体能力を徐々に下げるのと、私たちの自己強化を段々と上げていく効果なの、だからいくら貴方が早くても私たちの魔法の効果や身体能力が高くなっていくから、差が開くのよ。」


「そ、そんな...馬鹿な...」


そう言って項垂れながらオルトは戦意喪失する。


「これで、終わりですねエレイル、どうするのですか?この悪魔?」


「そうですね、一応このオルトという悪魔に聞かないといけないので、それを聞いてからですかね。」


そう言って私は、オルトに告げる。


「貴方の目的はなんだったのですか?もし話してくれるなら苦しまずに殺してあげます。」


「はっ、お前みたいな化け物に話すことなんてねぇよ!さっさと殺せよ。」


「そうですか、ならこの目の性能を確かめるいい機会なので、実験台になってください。」


そう言って私は『天照の瞳』を発動させて、私の新たなこの瞳のもう1つ備わっている、能力を発動させる。


それは対象の相手が最も重要な情報を覗き込むモノ名付けるなら『記憶写しの魔法メモリーコピー』とでも名付けよう。


私は、その確かな情報を物に、次をどうするか決まる。


『はい!計画は順調に進んでおります。あのローダーという町をスタンピードで落として我らの拠点とし、我らの進行の足枷としましょう!!』


『ああ、頼んだぞオルト今の勇者パーティでもここまでは読めまいて。』


『そうでしょうとも!!レオガマ魔伯!!

それにあの南にある魔狼の森も早急にどうにかしなくてはですから、早々に滅ぼして参ります。』


『頼んだぞ、私の従順なる下僕よ。』


そこで話が途絶える、私はそれを見てオルトにもう一度話す。


「最後に、レオガマ魔伯という魔族は、誰なの?」


「―――っ!!?!?」


私はその反応を見てこの『記憶写しの魔法』が正常に動いた事を知れたので、『天照の瞳』でじっくりと苦しみを与えながら焔によってオルトを焼いていく。


「ギィャァァアアァァァ!!」


焔によって全身を焼かれていく、それを私たちは、悲しみも怒りもなく憐れみを浮かべながら見遣る。


そしてダンジョンコアがある所までいき、埋め込まれたコアを私は破壊する。


申し訳ないとは思うが、ここまで強い個体の魔物が発生するようなものだからこれは仕方の無いことなのだ。


町に被害がなるなら、早急に判断して壊さないと行けない。ダンジョンなんて自然発生するものだから何れこれの代わりに新たにダンジョンができるだろうから、それまではこの広大な森の魔物を狩って行くってくれることを祈ろう。


そして私たちは、騒動の原因を沈め終えてダンジョンから転移魔法を使って町辺りに行くのだった。




◆◇◆◇◆◇◆


〈あとがき〉


(o´罒`o)ヘヘッ早く掛けたので早く投稿しました!!


これにて追放編の最終話が終わりとなります。次回は、番外編を2話ほど出していきます。


8月までには番外編を終えて9月から第一章の中間の話を開始する予定です。


次回の9話からは、ローダー領の続きやら旅立ちまで書いていきますので少しだけ長くなる予定です。なのでいつ更新するかは未定とさせてください。


それでももし、この作品が面白いとと思う方がいたらフォロー、いいね、☆3点とコメントをしてもらえると励みになりますのでよろしくお願いいたします。

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