ウタうたい

日浦海里

指先に 滴る灯火 知る痛み 温かいのは 優しさじゃなくて

指先に傷をつける

ぷっくりと赤い雨粒が落ちる



痺れる痛み

温かさは零れ落ちてくのに

痛みは優しさを連れてくるのかしら



痛みを知る人は優しいなんて

痛みを知らない人の優しい嘘



唇を濡らす朱

真っ赤に染まった噓は温かい



いつの間にか雨は止んで

赤い雲が空を覆ってる



夕妬け少しだけ

俯く影に染まる頬



零れる痛み

切なさは流れ落ちてくのに

痛みは愛しさを連れてくるのかしら

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る