第14話
「エリー」
怒りに満ちたレオンさまの声に、わたくしはすっと彼から絶対に見えない場所に視線を逸らした。
周囲からはざわざわとした驚きと騒めきが生まれ、全ての視線がアイーシャとわたくしに注がれて、現状のよくなさが際立つ。
「ごめんなさい………」
「………はぁー、問題ないよ。あれは教会に押し付ける。そしてあれが偽物であると気付かれる前に、婚姻を結ぶ。分かったね?」
「はい?」
「うん。いい返事」
頭を撫でられますが、わたくしのさっきの言葉は間違いなく疑問系でしたわよね?
アイーシャはぶつぶつと言いながらふらふらと立ち上がるのを見つめるわたくしは、一旦色々なことを後回しにして、悪役令嬢として相応しい妖艶な笑みを浮かべた。
「あらま、むふぐっ!」
(れ、レオンさま!?そのお手々は何を!?)
悪役令嬢のお役目を果たすため、わたくしは高らかにアイーシャを強弾し悪者になろうとした。しかし、レオンさまはわたくしのお口を塞いでわたくしの行動を阻んだ。意味がわからない。彼はわたくしが悪役令嬢になることを望んでいるいるのではなかったのだろうか。
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