第14話 鬼のマッチポンプ

「善良な人は、よく騙されるね」

  「あー、オボコイからね」

「なんとか防げない?」

  「辞書が貧弱だからなー」

「辞書って?」

  「頭の中の『想定』辞書」


・・・

子供だけかと思っていたが、

大人でも、悪事が想定できない人は多くいる。


善良過ぎて、頭の辞書が空白になっているからだ。


『自分は騙したりしない』

『相手もそうだろう』



■鬼は詐欺師の権化


悪辣な鬼と戦うなら、難を逃れるための『想定辞書』を充実させなければならない。


「マッチポンプ」という言葉がある。


【マッチポンプ】

和製語。

(マッチで火を付ける一方、ポンプで消化する意)

意図的に自分で問題を起こしておいて、自分でもみ消すこと。

また、そうして不当な利益を得る人。

1966年の政界不正事件で広まる。



福音書で、イエスが「子どもたちよ」と呼び掛けている相手は弟子たちであった。


精神構造が善良な人々は、先回りして悪魔の計略が読み取れないから『子供』なのだ。


その善良さは天の神に愛されるが、地上の鬼神には利用される。


カルト組織で悪辣なのは中心部だけであり、外の衣を構成する信者たちは例外なく善良。


しかしこの仕組みは、鬼が構築したものである。


目に見えない鬼は、詐欺の権化でありながら、善良な信者たちで身を包む。



■戦争屋と平和団体を牛耳る


児童相談所が、児童の誘拐を助けていたという話もチラホラ。


ディズニーランドのような場所では、子供の行方不明が多発するという。


また、病院が患者の臓器売買を行って儲けていたという話も聞く。


中国のウイグル人収容所あたりから、そうしたニュースが流れ出し、驚いた事もある。


「まさか日本では」・・・


これが鬼への油断である。


病院を配下に置いた鬼は、「潤沢な患者」を送り込んで繁盛させようとする。


簡単だ。


ミネラルを排除した「塩もどき」に『食塩』という名を冠して安値で売り出す。


大多数の食品メーカーがそれを使う。


すると民衆に、ミネラル不足の不調が蔓延し、彼らは病院に列をなす。


社会の頂点を牛耳れる鬼は、いとも簡単にマッチポンプができるのだ。



■戦争と平和


誰もが戦争など望まない。

そう思うだろうか?


マスコミを牛耳れる鬼は、危機を煽って武器が売れる。


「もっと軍備を拡張しろ」


戦争の噂一つで、恐ろしいほどの資金が軍需産業に流れ込んで来る。


指導者たちの脳を掌握している鬼は、思念の流し込みを使っていつでも紛争が引き起こせる状況。


配下が資金繰りで困っている時、紛争一つで金の流れが発生する。


もちろん、調停役も準備させている。


こうして鬼は、マッチポンプを成立させているのである。


イエスが「世の神」と呼んだ相手は、黙示録の四騎士の先頭に立つ。


(乗馬する白い馬は偽善の象徴)


戦争も飢饉も疾病も、狙った場所で自由に引き起こし、偽善的な火消しも行っている。


これが鬼のマッチポンプなのである。


子どもたちよ、頭の辞書に「マッチポンプ」を追加しよう。


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