第27話 結婚そして・・

遅れて現れたのは、アルティナ王国・国王レオナルド・ラクシアの姿であった。


「「王様?」」


「すまんな。驚かせるつもりはなかったのだが、オーシャンに会いに来たのだよ。」


「・・・来ていただき有難うございます。」

義理父レインは深々とお辞儀をする。


執事に椅子を用意させるレイン。

「こちらへどうぞ。」


「来るなら来るで、言っておいて下さいよ。何も用意して無いんですから。」


「今日は内密で来たんだ。すぐ帰るから。」


「頼みますよ・・。」


そういえば、義理父レインと王様は親友って言っていたっけ。


「気楽に来れるのはここだけだからね。他のところは堅苦しくって。」


「オーシャンおめでとう。良かったじゃないか素敵な奥様で。」

相変わらずノリが軽い王様だ。


「有難うございます。来ていただいて光栄です。」


こんな感じでいいのか?と思いつつ挨拶をかわし、目でロココに確認する。

首を縦に振ってるから、大丈夫らしい。



****



その後、教会の大聖堂で結婚式をした。

真っ白なウエディングドレスを着たロココ。

さらに美しく見える。

俺はベールを上げて、ロココに 誓いのキスをした。

俺はオーシャン・アルフレッドになった。


とは言っても中身はそのままなのだけど。

実感ないんだよね。

変わったことと言えば、アルフレッド家に住むことになったことと、名前が変わったことくらいかな。



****



城へ初出勤の日。

前回勤める時断っているから気まずいかなと思ったが、大丈夫だった。

実はちょっとワクワクしてるんだよね。

色々な事をやれそうだし・・そういえばギルドへのポーション納品・・辞めた方がいいのかな?


「構わないよ。体力的に無理なら辞めればいいし。」

職場の上司に相談したらそんな返事が返ってきた。

ライカ・女性の上司だ。

白衣に眼鏡をかけて赤い髪のショートヘア。

瞳は白色。

淡々としている印象。


「ここに来ると婚期逃すぞ~っていうのがお約束なんだけど、君結婚してるもんね。それはないか。」

おちゃらけた印象の男性同僚のフール。

黒髪で茶色の瞳。

ここでは皆白衣を着ている。


「婚期逃すってなんで・・。」

俺は聞いてみた。


「研究ばっかしててさ、結婚に興味無くなるみたいなんだよね。実際にはどうなんだかわからんが。」


のめり込むほど面白いって事かな?

クリフに似ているような気がするのは気のせいだろうか。

髪色が同じだからそう見えるだけかな?


後日聞いてみたら、クリフの母親の弟だった。

世の中って意外とせまいのかもしれない。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る