第4話 引っ越し
ポーションにはランクがある。
初級ポーション
中級ポーション
上級ポーション
町に出回っているのが、主に初級ポーションである。
小さい傷とか、軽い骨折とかなら治せる。
中級以上は、それなりのお店に行かないと売ってない。
冒険者は回復魔法が使える人と組むか、ポーションに頼らざるをえない。
俺の売っている回復ポーションは質が良いので、中級~上級といったところか。
高価なものなので、強盗は売ってもいいと考えていたのだろう。
家を出る。
俺はそう決めた。
移転の資金はあるので、どこか手ごろなところへ引っ越そうか。
俺が家を出て行っても雑貨屋は上手く回っていくだろう。
荒らされた店内を片付けていると
「オーシャン!」
後ろからアイラ姉に抱きつかれる。
いきなりどうした?
「出ていかないよね?」
ミーシャ姉も心配そうに見てる。
「・・まだ少しはいるつもりだよ。」
「出ていくつもりなんだ・・。」
「このままじゃ、また同じことがあったら困るし。」
姉たちを危険にさらすのは御免だ。
「そんなに遠くないところで借りるつもりだから・・。」
まあ、いずれかは別れる時も来るだろうし、少し早まっただけだと思えばいいか。
「え?お前家出るの?なんでまた・・。」
お調子者のニルスが驚いている。
「色々事情があってね。近くにはいるからさ。」
「そうなのか・・。居なくなると、からかう奴がいなくなって調子狂うな。」
「店の客減るかもな・・・。」
ニルスは呟いた。
****
「今までお世話になりました。」
両親も旅行から帰ってきて、姉たちと一緒にお別れの挨拶をしていた。
「まあ、無理しないで大変だったら帰って来いよ。」
父グリーが軽く言う。
「ご飯食べに帰ってきてもいいからね。」
母シイナは心配しているみたいだ。
「一生会えないわけじゃないし大丈夫だよ。」
軽く手を振る俺。
まさか、家を出ることになるとは思わなかったけど。
「ブルート町ともお別れだな。」
実家から一日かけて隣町のワッツへ。
最初は町内で探すつもりだったが、テナント兼住居の空きが無くて探すのに手間取ってしまった。
実家から遠くになってしまったが、賃料も少し抑えられたのでまあ良しとするか。
****
馬車にすれば良かった。
普段長時間歩かないから、足が疲れてくる。
お金ケチるものじゃないな。
ブルート町からワッツ町へ
この街道はモンスターがほぼいないらしい。
いてもスライム程度だとか。
俺は逃げるしかないけどね。
情けないことに戦闘力皆無なので。
「はあぁ~~~。」
疲れると気持ちも落ち込むらしい。
俺は後悔していた。
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