これが仕事?!
そのまま三年生になり、新入生の前で会長が挨拶することになった。
---聖美、明日の原稿これでいいかな?
彼女に初めて甘えられた瞬間だった。感激したい所だったが、原稿に目を通した。
間違えもなく完璧だった。
---大丈夫だよ。直す所なんてないよ!
彼女の背中を押した。彼女は背中を押されたいだけだったかもしれない。
そして、当日
---あんこぉ、顔固いよぉ〜緊張してるの?
と、いたずら混じりで顔をフニフニした。
いつのまにか下の名前とあだ名で呼ぶ仲になっていた。あんこときよみそう呼び合っていた。初めて呼ばれた時は嬉しかったが、いつだったかはハッキリと覚えていない。
そして、挨拶の舞台にあがる直前まで彼女は緊張していた。舞台にあがると、それまでを感じさせず凛々しく立っていた。舞台袖に立っていた聖美がその姿に圧倒されてる自分に気づいたのは、そこからしばらく経った頃である。背中押されたいだけだったのかもと思った。
---生徒会で何かできることないかしら?
杏が突然言い出したのは訳がある。5年後に共学化するというのだ。理由は生徒数の減少。以前は応募も多く、人気の学校だったが大学進学率もスポーツも文化も特色のない学校は中学生には人気がでなかった。
そして、学校説明会が始まり会長の挨拶で幕を開けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます