これが嫉妬?!

二年生になっても同じクラスだった。と、言っても2クラスしかない上に理系と文系に分かれる為、何となく予想がついた。そんな中、生徒会長に立候補した。他に立候補する人もなく、選挙もなく自然と決まった。私は会長の指名を受け補佐をした。そして副会長になった。書記と監査は後輩の一年生が担った。その中の監査ささきゆいは要注意人物だった。最初の仕事は文化祭での放送だった。就任の挨拶だったが、放送の為顔は見えないし、台詞も公約を言うだけで私は必要なかった。それに文化祭の途中だったので、真面目に聞いてる人なんていなかった。それなのに、ゆいはしっかりと聴いていた。その日の生徒会で佐々木は言った。


---さっきの放送良かったです!初々しさもあり言葉から熱意みたいなのも伝わってきました。

---そう。それは良かったありがとう。


聖美はそのやり取りを見ていて、なんだかモヤモヤした。

結はその後も会長に近づいた。なんというか、あざとい。確かに身長は、低めで見上げる事が多くて、茶色のショートボブだけど仕草というか表情が何かあざとい。


---半田先輩ここわかんないです。教えてくださ~い。


生徒会の事ならともかく、勉強の事まで聞いていた。何かと杏に絡んだ。そのせいか、2人の距離が縮まってる様に見えた。杏は結の事を名字でなく、名前で呼んでいた。さりげなく名前で呼んだ理由を聞いてみた。ワタシも相当陰湿だ。

杏の理由は単純だった。佐々木さんっていうより結ちゃんって感じだから。それが理由だった。ある時結ちゃんがクッキーを焼いてみんなにお裾分けしてくれた。3〜4枚だろうか、全部味が違った。全部美味しかったが特にチョコ味が美味しかった。4人以上にあげただろうか。その全てが綺麗に包装していて、この手間を考えたら、相当な労力だった。でも、杏は変わらなかった。結ちゃんとは仲を深めたが見てる方向は変わらなかった。クッキーは本当に美味しくてみとめざるをえなかった。杏も満足そうに食べていた。


---美味しい!結ちゃんまた作って。また、食べたい!


確かに美味しかったけど、杏にそこまで言わせるとは彼女は相当器用なんだなと思った。

この前2人で帰っている時、結ちゃんの名前を杏から出した。これまで、他人の名前など出したことのなかった杏が他のメンバーの名前を口にした衝撃とどう思っているのかわかる恐怖で会話の内容が全然入らなかった。

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