これが恋っ?!
陶来鍬紘
これが出逢い?!
これが恋?
違うただの憧れだ。お父さんのせいで男の人が苦手なだけだ。だから、女子校を選んだ。とっくに離婚はしているが、男性は苦手なままだった。威圧して大きな声で怒鳴った父は怖かったし、酔うとすぐ手も出た。父はアメリカ人で母は日本人。全く父に似なかった私は日本に強く憧れを抱いた。母はアメリカの仕事があるからと単身日本に来た。中3で来たので友達はいなかった。祖父母が近くにいるので安心だと送り出してくれて、私は日本で一人暮らしだった。お金に困った事はないが時々寂しかった。友達と行うイベントに強く憧れを抱いた。でも、参加できずにいた。中3で引っ越したからすでにグループが出来ていた。その事に気づいたときには、周りが受験モードになっていた。恋愛のドラマや漫画が苦手で必ずと言っていいほど、男女が結ばれていた。同級生の中には他校の男の子と付き合ってる子もいたし、女の子同士で付き合ってる子達もいたから特に偏見もなかった。私自身はあんまし恋愛キャラじゃないし憧れてもなかった。好きな人が出来なくて悩んだ時もあった。周りの友達も好きな人中には付き合ってる子もいた。あるとき友達に好きな人がいないってことは嫌いな人もいないの?と素朴な疑問をぶつけられた。そのとき頭の中が晴れた気がした。そうか、私は人間に興味がないんだ。でも、彼女が気になってしまう。大勢の中から見つけられるし、声もわかる。頭にまぶたの裏に鼓膜に焼きついてる。学校のない日はすごく長く感じる。何も無い時に浮かんでくるのが、あなただ。好きという感覚とは違う気がする。でも、かなり気になっているのは、確かだ。何とか彼女の力になりたい。そんな気持ちになっていた。
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