アスパラガスが食べたい!
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アスパラガスが食べたい。
茹でたアスパラガスをマヨネーズにつけて食べたい。
わたしは小さい頃から父にマヨネーズは野菜が見えなくなるまでかけて食べろと教えられた。
今のマヨネーズはキャップが3つ穴になっていたりしてまんべんなくキレイに線描き出来るが、昔はキャップにそういうものはなくマヨネーズの絞り口が星型で大量に消費していた。
アスパラガスを食べる時もアスパラガスが見えなくなるまでマヨネーズをかけて食べていた。
少しでもアスパラガスの緑色が見えるものなら、父に怒られた。
母には「マヨネーズかけ過ぎ! やめなさい!」と怒られ、母に従うと父から「ちゃんとマヨネーズをかけろ!」と怒られ、どっちにしろアスパラガスは怒られて食べていた記憶しかない。
マヨネーズは全く悪くないから今でも嫌いではない。
父があまりにも怒り、熱心にマヨネーズを大量にかけて食べろと言うから何の疑問も抱かずに言われた通りに食べていた。
母が怒りっぽい人だから、気に触ったんだなと思っていた。
『これは違うな』と思ったのは、茹でたてのアスパラガスをそのまま食べたから。
マヨネーズを大量にかけて食べなくても、アスパラガスはすごく美味しかった。
マヨネーズの味しかしないアスパラガスを食べていたから、わたしはアスパラガスの味を知らなかった。
他の野菜もそうだ。
トマトやキャベツの千切りなども見えなくなるまでマヨネーズをかけて食べていて、わたしは野菜そのものの味を知らずに食べて育っていたのだ。
割愛するが、父は姉妹の中でわたしにだけそういう食育をしていた。
父は3人の娘の中で一人だけでも自分と同じ味覚にしたかったらしい。
疑うことを知らないバカ正直な性格は、損をすることを学んだ。
色々と直しても今もわたしの味覚は父と似ていて、母・姉妹と食の好みが一人だけ違い、食べたいものが合わない。
美味しいものを共感出来なくて、残念に思う。
幼少期の食育は影響力が大きいことを実感している。
話を戻すが、アスパラガスは茹でたものをそのままでも食べれるがやはりマヨネーズが欲しい。
皿の端に少しだけマヨネーズを乗せてディップするようにしている。
マヨネーズを見えなくなるまでかけたい衝動は起きないから、安心してアスパラガスを食べている。
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