霧を泳ぐ船

濃霧の街は犯罪も覆い隠す。


今十二歳の少女を家族が監禁中。


七十の男と結婚させる為だ。


少女は小窓から曲芸団の男に助けを求めた。


彼は霧の深まる夜更けに団の船で訪れる。


「行こう」


上昇して霧を抜けると美しい夜空。


星を掴んで燃料補給。


月を砕いたカンテラをつけ船は白い海を右へ左へ渡っていった。

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