第11話 ムチ常備系メイド
「あらあら、ご主人様。ようやくお目覚めですか。長いお眠りで、このまま永遠に目覚めない物かなと思ったんですが、ちょっと心配になりましたよ。
えぇ、今の今まで惰眠を頬張っていましたから、もう一生寝たまま終焉を迎えるかと思いましたよ。まぁ、それはそれで興味深く思いますけれども。
……それでご主人様? ちょっとだけ、いつもと違うなと思いませんか?
単細胞のアメーバ並みな頭脳をしているご主人様でも分かるくらい、簡単な差異があるんですけれども? 分かりませんか?
……え? 天井が違う?
そうです、ご主人様。正解ですね。
いつもは青白い皆様の気持ちを代弁するかのような真っ青な天井ですけれども、今はご主人様のこれからの将来を暗示するかのような真っ黒な天井ですから。
青色と黒色の区別も出来るくらいのご主人様で良かったです。この前、お仕置きをしたご主人様はあまりにも錯乱状況で、自分が居た部屋の真っ白な天井と真っ黒な天井の区別すら出来ないくらいの錯乱状態でしたから。あのご主人様に比べたらずっとご主人様は有能だと思いますよ。
そうですね。ゴミ虫とうじ虫くらいの差しかありませんが。
どうしてこのような場所に連れて来られたか、不思議がっているようですね。それは何故かと言われますと、ご主人様がメイドにこのような場所に連れて来られるくらい無能だったからです。
私達メイドにはご主人様が私達が仕えるべき主でないと判断した場合、そのご主人様に対して"おしおき"をしても良い権限があるのです。そしてご主人様は仕えるべきではない無能主となってしまいましたので、私達黒メイドがおしおきをするのです。
メイドはご主人を甘やかし、そしてご奉仕するのがお仕事。しかし、私達黒メイドはご主人様を改心させ、ご主人様を痛がらせ、反省させるのが私達、黒メイドのお仕事。
このムチは、そのためにあるのよ。まさかご主人様と言う悪人を痛がらせるためのこの鞭を、この鞭を持った私が派遣されたと言う事を、無能なあなたは知らなかったようですがね。メイド達はようやく肩の荷が下りたと言うような、清々しい顔をしていたのを、あなたは見落としていたようですね。流石、私のような黒メイドが派遣されるだけのダメ主ですね。ある意味、尊敬いたしますよ。
では、早速で申し訳ございませんが、ご主人様を痛がらせていきますね。
骨を一本一本ずつ折りながら、メイド達の痛みを理解させ。
指を一本一本削ぎながら、メイド達の苦しみを実感させ。
鞭で一回一回叩きながら、今までの自身の無能さを感じてくださいませ。
私達黒メイドに、慈悲と言う言葉はございません。メイドとは素晴らしい主に仕え、ご奉仕するのが生き甲斐の存在であるにも関わらず、そんなメイド達が満足できないようなご主人様に長々と付き合わされるのは今後の時間があまりにも不憫ですから。
さぁ、ご主人様。何か言う事はございませんか?
もし、言葉次第によっては彼女達も考え直してくれるかもしれませんよ? まぁ、彼女達の無限にも等しいような苦しみが、あなたのどんな言葉で癒され、そして無くなるかと言うのは、結構興味があります。
……出ませんか? まぁ、そんな速く急かした私が悪うございましたね。
ミジンコレベルの頭脳しか持ち合わせていないと言う事は、それくらいの語意しか持っていないと言う事ですから。
では、こうしましょう。
私が一回、また一回と鞭であなたを叩きますので、その悲鳴に混じらせながら、思いついた言葉を言えば良いのではないのでしょうか?
もしかしたら、同情を誘えるかもしれませんよ?
では、ご主人様。いえ、このゴミ虫糞野郎様。
お覚悟を、よろしくお願いします」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます