始業式・・・5

ヒョイっと睦月むつきがななちゃんのよこからかおを出した。

「よぉ!美羽みわせきちかいな」

わたしのななまえ睦月むつきだった。

ななちゃんが睦月むつきにあたりはじめる。

「えぇーー!いえ近所きんじょでなんでせきまでちかいワケ?!美羽みわとなりはわたしの場所ばしょなのに!!わたしの席、美羽みわからとおいじゃん」

ななちゃんがバンバン睦月むつきかたたたく。

そんなにちからは入ってないからいたくはないたたかた

ななちゃんの事をってる子は大体だいたい分かってる事なのに、まわりの女子じょしさわはじめてる。

晴香はるか君に暴力ぼうりょくふるってるよ」

晴香はるか君かわいそう」

「あんなにたたかなくていいのに」

わたしのみみに入るヒソヒソごえ

わたしはあわててななちゃんをめる。

「ななちゃん、そんなにバンバンしないで」

そんなに大きなこえじゃないけど、ななちゃんには声がとどいたみたいですぐに手は下ろされた。

睦月むつきわらいながらボソッとつぶやいた。

秋本あきもと本当ほんとう美羽みわが好きだよなぁ」

たりまえじゃん!私は美羽みわが大好きなの」

ななちゃんが大きな声で睦月むつきつぶやきにかえす。


は、ずかしい。


わたしはななちゃんに「大好きだよ」とよく言われる。

でも、何度なんど言われてもれてしまう。

いまだってそう。

わたしもななちゃんの事大好きだけど、そんなにストレートに大好きなんて言えないんだ。

ずかしくて。

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