第2話 転生

転生


そこはまた真っ白い世界だった、私は死んだのかと思ったがなぜまた目の前を白い世界が覆うのか、しばらくその場でたたずんでいた。

どのくらいそこにいただろう、急に目の前が開け目が見えるようになってきた、そしてここはどこだろうと考えてみた。

目は見えても周りは白一色、歩いても止まっても景色は動かない。


(ぽち)

(だれだ私の名を呼ぶのは、雄太か?また遊びたいのか?)

(ぽち)

(だれ?)

(私は神と呼ばれるもの)

(かみ?)

(そう)

(その神が私になんの用?)

(あなたは今どこにいるか分かりますか?)

(分からない)

(ここはあの世、あなたは死んだの)

(ああやはり私は死んだのか)

(そうあなたは死んだ)

(どうでした?)

(なにが?)

(幸せでしたか?)

(ああそれなら幸せだったと思う)

(また生まれ変わりたいですか?)

(またあの家族の元にですか?)

(いえ同じ世界には生まれ変わることはできません)

(ああ そうなんだ)

(あなたが進む道はいくつかあります、一つはまた犬としてもう一つは人として生まれ変わる)

(どちらが良いのか私にはわかりません)

(どちらが良いかはあなたが決めるのです)

(何か違いはありますか、私には生前の世界はそれ程よくわからなかったのです)

(そうでしたね目がよく見えなかったのですものね)

(はい、でも元の家族と会えないのであれば違う道を進んでみようと思います)


生前の犬という種族はそれ程恵まれてはいなかった、だがそれを包んでくれるものもいる。

私は次の生で包む側になってみようかと思った、それは同じ世界には転生できないというから。

どうせあの世界に戻れないのならば私を救ってくれた向こう側で、一度生活して彼らの側から私のことをどう思っていたのかを知りたかった。


(転生する世界とは、前の世界との違いとはなんでしょう?)

(あなたが生まれ変わる世界では、戦争が起こっています、前世と同じ生ならばすぐに死んでしまうでしょう)

(それならばやはり違う種族が良いということですね)

(そうかもしれませんね)

(それで、私はどうすれば?)

(あなたには特殊なスキルを与えます、そしてその世界を導いてもらいたいのです)

(世界を導く?そんなこと私にできるのでしょうか?)

(それほど難しいことはないですよ、世界を導くのはその世界で生きるものすべてに課せられた試練です、ですからあなたはその世界で自分の思うがままに生きてください)

(そういうことですか・・)

(今度の生はあなたにとって素晴らしいものになりますよ)

(それなら良いですね)

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