車椅子生活

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 それから数日間、わたしはベッドの上で時間を過ごした。

 歩けない、というのは本当に不便で嫌だった。


(リハビリはどうしたんだよ、リハビリは……!?)


 医師は毎日、わたしの所に顔を出すがリハビリの話は全く出なかった。

 一人では本当に何も出来ないからお母さんや看護師さんたちに“全て”やってもらった。

 歩けないから、一人でトイレにも行けなかった……。

 ベッドの上でトイレとか地獄だった……。





 そんなある日。


「さくらちゃん」

「はい」

「今日は、病院の中を探検してみよっか」

「はいっ! ……って、えっ!?」


 医師から提案された。


(わたし、歩けないのに一体、どうやって……?)


 わたしの頭の中はハテナでいっぱいだった。 


「嗚呼、大丈夫だよ。さくらちゃんは歩かなくて良いから」

「???」


 医師、何言ってるの?

 歩かなくちゃ、病院の中を探検なんて出来ないじゃん……。


「看護師さーん」

「はーい」


 看護師さんが医師に呼ばれて、わたしの前に何かを持ってきた。

 それは………。


「………車椅子」

「さくらちゃん。車椅子は初めて?」

「ううん」

「じゃあ、あるんだね」

「うん。前にもわたし……この病院に入院したから」


.

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