病院

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 救急車で病院に着いて、しばらくしてお父さんは廊下で医師と会話をしていた。


「医師。うちの娘がああなってしまった原因は……?」

「分かりません」

「分からない!?」

「この病院は、設備が充分整っていないので、娘さんを詳しく調べることが出来ないんです……」

「じゃあっ!?」

「……ですから、1~2日この病院に入院して頂き、様子を見て大きな病院へ搬送します」



 ガラッ



「………」

「……医師、何だって?」


 お父さんは医師との話を終え、病室で落ち着き眠るわたしの横で、お父さんとお母さんは話す。


「……分からない、だと」

「……ここの病院、クソだわ」

「?」

「……さくらね、一週間前位から『頭が痛い』って言ってたのよ。昔から怪我とかしても、どっか抜けてるから“痛い”とか言わないでしょ?

あまりにも言うから、この病院に連れて診てもらったのよ。そしたら……」

「『そしたら』?」

「“風邪”だって。『でも、この子がこんなに痛みを訴えるのは初めてなんです。ちゃんと調べて下さい』って言ったら、たださくらを黙って見て、『体格良いんだから、すぐ治るでしょ』って」

「それで?」

「風邪薬もらって、そのまま帰ってきたわ。───もし、さくらが最悪な事態になったら、その時は……」

「……今は変なこと考えるな。1~2日入院させて様子を見るらしいから、その間は我慢だ。大きな病院に行けば、さくらがどうしたのか分かるさ」





 わたしが倒れてから、2日後───01月03日。

 わたしは救急車で、設備が整った大きな病院に搬送された。

 そして、精密検査を受けた。


「医師。さくら──うちの娘は一体……?」

「……大変、言いづらいのですが───…」



 医師と話を終え……。


「───なぁ。病院って一体何なんだ……?」


 ……お父さんは本気でこの時、そう思ったという。





.





「───なわけで。あなたは15日間、意識がなかったの」

「………。いやいやいやっ!

説明がめっちゃ曖昧だよ、お母さんっ。それだけじゃ全然、話が理解出来ないよっ。てか、話省かないでよっ。途中で話を終わらせるなぁ!!」

「何で今日に全部話さなきゃいけないの?

さくら。あなた、当分検査とかその他色々で入院になるから、退屈な時にちょくちょく話していくわ。今日はおしまい」


 多分この時、お母さんなりに目覚めたばかりのわたしを気遣ってくれたと思うんだけど……。

 めちゃくちゃアバウトなわたしの母親だ。


.

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