【完結】「こんな目覚め方をした経験はあるか?」

かがみゆえ

1月16日

 .





 ―――目覚めると、病室のベッドの上にいた。

 何故、自分が此処にいるのか分からない。


「さくら!」


 お母さんがわたしの名前を何度も呼ぶ。

 お母さんはもう、泣きそうな顔をして喜ぶ。

 何故、お母さんが泣きそうなのか分からない。


 ……目覚める前の記憶が無い。

 わたしは、ずっと―――眠っていた?


「……さくら。あんたね―――15日間、意識無かったのよ……」

「……へ……?」


 ……いきなり何をおっしゃっているんですか、お母様?

 意識が無かった……って、どういうことですか……?


「あんた―――生死の境を彷徨っていたのよ」

「………………。……………。…………。………はい?」


 ドッキリカメラは何処だろう?

 これは、一体何のジョークだろう?

 ……でも、こんなジョーク言うはずないよね?


「……痛っ!」


 物事を把握出来なくて、パニックになっていると後頭部に激痛がはしった。

 ………頭、が痛い。

 まさか……。


「お母さんっ。わたし、何らかの事件に巻き込まれ……っ……!?」

「違うわよ、馬鹿っ!!」

「……お母さん。頭痛い……」

「当たり前でしょ。あんた、“脳”が病気になったんだから」

「………!?」

「……ちゃんと説明するから、落ち着きなさい。さくら」


.

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