第15話 定演に向けて

 翌日。土曜日の今日は、朝9時からの練習である。誠也せいやはいつもより2時間遅い電車で、えり子と一緒に学校に向かっていた。外は曇り空。昨日に引き続き、誠也の気持ちも晴れなかった。

 

 土曜日の朝の下り電車は、いつも以上に空いている。誠也とえり子はガラガラの車内でゆったり座っていた。

「ねぇ、片岡。手、出して!」

 誠也の左側に座るえり子が、不意に話しかけてくる。

「ん?」

 誠也は言われたとおり、右手を出すと、えり子が誠也の手の上で小さな箱を振る。小さな包み紙が2つほど、誠也の手のひらに落とされる。キャラメルだ。


「今日ね、キャラメルの日なんだって!」

「あ、そうなんだ。ありがと」

 えり子が満面の笑みにつられて、誠也も笑顔になるが、どこかぎこちない。


 昨夜から誠也は思考が渋滞していた。真梨愛まりあのこと。多希たきのこと。そして、えり子のこと。えり子のひまわりのような笑顔が時折鬱陶しく感じられ、それと同時にそう思う自分にまた苛立った。


 えり子は暫しご機嫌な様子で、キャラメルを食べていた。誠也には話しかけてこない。おそらく誠也の心情を敏感に察知したのだろう。誠也はそれが分かるから、また心苦しくなった。


「ねぇ、片岡。定演まであとちょうど2週間だね!」

 暫くして再び、えり子が誠也に話しかける。

「あぁ、そうだな」

 そうだ。あと2週間で定期演奏会。余計なことを考えている場合じゃない。今は演奏会に没頭しよう。誠也はそう考え、えり子の方を改めて見ると、えり子は小さくウインクした。

 

(こいつ、絶対俺の心、読んでるな)



 ♪  ♪  ♪


 誠也たちが音楽室に到着すると、合奏隊形にセッティングされた音楽室では、すでに自主練習をしている部員が散見された。


 9時。練習開始。部長の友梨ゆり先輩が、指示を出す。

「今日の練習は予定通り、午前中パー練、午後合奏あわせで変更ありません。合奏の楽曲も予定通りです。実行委員から明日のリハについてアナウンスがあります。田中くん、西山さんお願いします」

 友梨先輩に促され、定期演奏会実行委員の田中賢太けんた先輩と西山はるか先輩が前に出る。


 賢太先輩より、アナウンスがある。

「明日は市民会館でのリハーサルです。詳細はクラウドに載せている資料によく目を通しておいてください。明日は朝7時音楽室集合で、楽器運搬のトラックは8時に学校を出発します。時間がタイトなので、今日のうちに準備できるものは準備しておいて、明日は、速やかに搬出ができるようにしておいてください」

「はい!」

 部員が一斉に元気よく返事をする。その後、各係からも明日のリハーサルに向けてアナウンスがあった。誠也たちはいよいよ定演が間近に迫っていることを実感した。


 

 午前中はパート練習。練習に集中していると、時間が経つのもあっという間である。昼休みものんびりはしていられない。誠也は学食でカレーを一気に胃に流し込むと、昼休みの後半は係の仕事に充てた。


「誠也、テグスの予備ってどこにある?」

 誠也が大道具係の作業場である倉庫に入ると、真梨愛が探し物をしていたようだ。

「テグスなら、白いかごの中の、ホームセンターの紙袋に入ってないか?」

 

 誠也は自分の作業を黙々と開始しながら、返答する。同じ大道具係の真梨愛とは嫌でも顔を合わせなければいけないが、誠也は大人げないと思いつつも、ついつい素っ気ない態度をとってしまう。できれば話しかけてほしくない。そう思う誠也に対し、お構いなしに接してくる真梨愛に苛立った。


 

 昼休みの終わるぎりぎりまで作業をした後、午後の練習開始。午後は誠也の参加しない第1部の楽曲の合奏だっため、いつも通りパートで基礎練習をやったのち、個人練習となった。誠也は昼休みの作業で使った倉庫の鍵を職員室に返すよう、平山先輩から頼まれていたので、職員室へ向かう。


 廊下を進んでいくと、オーボエの澄んだ音色が聞こえてきた。様々な思考を、定期演奏会が終わるまで一旦保留にしてこうと考えてた誠也であったが、多希の一件だけは解決しておきたかった。


 誠也が多希の練習する教室の前に差し掛かると、今日は廊下側を向いて練習していた多希と目が合った。


 お互いなんとなくアイコンタクトをとる。多希が入室を拒んでいないと察した誠也は、演奏の邪魔をしないよう静かに教室のドアを開けて中に入る。多希はそのまま吹き続け、誠也はそのフレーズを吹き終わるまで、机の角に軽く腰掛けて待つ。この辺りは、長く吹奏楽をやってきた者同士が通じる、阿吽の呼吸である。


 オーボエを吹く多希の姿は、友梨先輩に似た、凛としたオーラを感じる。誠也はその美しい光景に暫し魅入っていた。

 

「相変わらず、きれいな音色だね」

 多希が吹き終わるのを待って、誠也が話しかける。

「いや、まだまだよ。何か用?」

 そうぶっきらぼうな言い方だが、演奏しているときに比べ、多希の顔は幾分かほころんでいる。


 誠也は少し大きめに呼吸をすると、言った。

「真梨愛から色々、話を聞いた」


「何を?」

 多希の表情が一瞬にして曇る。


「聞いたっていうか、一方的に聞かされたんだけど」

 誠也がそう言うと、多希は場面が想像できたのか、呆れたように短く鼻で笑う。

 

 誠也が続ける。

「なんかよくわからいけど、告られた」


「それで? OKしたの?」

 多希は無表情のまま誠也に問う。


「俺がそう返事すると思う?」

「さぁ。私には関係のないことだから」


「この前、多希が俺と飯行くのキャンセルしたのって、真梨愛が原因だろ?」

 多希は一瞬の間をおいて、答える。

「別に、真梨愛に行くなと言われたわけじゃないわ。私が自分でそう判断しただけ」


「でも、そう判断したってことは、結局は真梨愛が原因ってことだよな?」

 誠也がそう言うと、多希は黙り込む。


 誠也は構わず、話を進めることにした。

「まぁ、いいや。これでキャンセルの原因もはっきりしたことだし、改めて、多希のお誕生会、やろうぜ」


 少し間をおいてから、多希が言う。

「でも、真梨愛はいいの?」


「真梨愛? さっき多希、『私には関係ない』って言ってたじゃん。何を気にしてるの?」

 誠也がわざとらしい笑顔で矛盾を指摘すると、多希が誠也を睨みながら言う。

「誠也って、ホント最低。嫌い」


 誠也は続ける。

「で? そんな最低で嫌いな俺と、改めて飯食いに行くか?」


 多希は睨んでいた誠也から目をそらして呟く。

「……行く」


「OK! その代わり、定演終わってからでもいいか? 今は演奏会に集中したい」

「もちろんそれは私も賛成だけど、定演終わったら、すぐ期末テストよ?」


「……すっかり忘れてた」

 誠也はスマホを開き、アプリでスケジュールを確認する。

 

「じゃ、テストの最終日 7日はどう?」

「うん。いいけど……」

「だいぶ先になっちゃうけどな」

 そう言って笑う誠也に、多希は怪訝そうに問う。

「本当にいいの?」

 多希の問いの意図が分からず、誠也が聞き返す。

「何が?」


 多希は少しためらった後、遠慮がちに口を開く。

「誠也、真梨愛とは付き合ってないの?」


「え?」

 誠也は想定外の問いに一瞬戸惑った。


「いや、もし真梨愛とお付き合いしているんなら、二人で食事行くのはよくないなと思って……」


 誠也はここにきてようやく多希の真意を察し、改めて多希の方を向いて言った。

「真梨愛には丁重にお断りしておきました。俺は真梨愛と付き合ってないです」


 多希は誠也から目をそらし、答える。

「分かったわ。それならば、問題ないわね」


 

 誠也は多希の教室を後にすると、職員室に向かった。気がかりだった多希の一件は、これで解決できた。一方で、多希との距離感という課題はまだ、誠也の中で整理ができていなかった。

 ただ、この問題に対しては、まだ時間的な猶予はありそうだ。まずは目の前の演奏会に集中しよう。


 ♪  ♪  ♪


 翌11日、日曜日。

 休日ではあるが、今日は市民会館を借りて定期演奏会のリハーサルを行うため、吹奏楽部の面々は朝7時に音楽室へ集合した。リハーサル前の緊張感と高揚感で、音楽室はいつもよりも活気に満ちていた。


 部長のあいさつの後、実行委員の先輩の指示で、部員たちは楽器の搬出を始める。


「リハーサル、緊張するよ~」

 楽器を運びながら、穂乃果ほのかが泣きそうな顔をしている。

「大丈夫! 本番で失敗しないためのリハーサルなんだからさ!」

 えり子が笑顔で穂乃果にエールを送る。


 楽器初心者でまだ演奏での参加が難しい穂乃果は、今回の定期演奏会では裏方を仕切る、「ステージ・マネージャー(通称:ステマネ)」という大役を担うことになった。

 本来のステマネは、演奏会の裏方の責任者であり、その役割も多岐にわたるものだが、そこは高校生の定期演奏会。部員のほぼ全員が演者であり、楽器経験のある専任のスタッフを設けることも難しいため、今回はステージに上がる機会のない初心者メンバーの中から、構成係である穂乃果に白羽の矢が立った。実際には要所要所で先輩や誠也たち経験者の1年生もステマネの任務も行っており、どちらかというと穂乃果はタイムキーパー的役割がメインとなるのだが、それでも円滑な演奏会の進行には欠かせない重要な役割を担っていることには変わりない。


 部員たちが協力して手際よく搬出作業をし、午前8時、定刻で楽器運搬トラックを見送ることができた。続いては、部員たち自身の移動だ。高校から会場となる市民会館へは路線バスもしくは自転車を使っての移動となる。誠也たちは一度音楽室に戻って各自の荷物をまとめてから、出発した。

 

 9時前には自転車組の含めて、全員が市民会館前に集合した。そして9時に会館が開錠されると、まずは自分たちの荷物を楽屋に運び入れ、それから楽器の搬入と会場の設営だ。実行委員の先輩の指示の下、手際よく作業が進んでいく。

 誠也たち金管パートは舞台上でひな壇の設営をする係となっていた。会場係の部員と会館のスタッフの方の指示に従いながら、ひな壇を組んでいく。誠也はこういった作業は嫌いではないので、率先して作業を覚え、実施していった。


 10時。副指揮者の生徒による基礎練習。本番では全員がステージに上がる機会はないので、かなりの密集隊形だ。

「やっぱ、ステージからの風景っていいよな。去年のコンクール以来だからな」

 感慨深げにそう言う誠也の横で、えり子が少しだけ表情を曇らせる。

「去年のコンクールか。なんか色々思い出しちゃうな」

 

 去年のコンクールは結果もることながら、当時交際していた誠也とえり子は、その翌日に破局しており、いい思い出ばかりではなかった。


「でも、今、ここから見る風景はどう?」

 誠也がそう、えり子に問う。


 去年のコンクールのステージと同じく、えり子の左側に誠也がいる。でも、着ている制服は違う。そして周りにいるメンバーも違う。新しい仲間もできた。


「うん、悪くないかも!」

 そう言って、えり子はいつものひまわりのような笑顔に戻った。

 誠也とえり子は、基礎練習とはいえ、ホール独特の響きを味わいながら、その吹奏感に暫し酔いしれた。


 基礎練習が終わった後、午前中は主に第2部のポップスステージの練習にあてられた。ポップスステージでは曲によって演奏者の振付があったり、楽器を待たない1年生の部員たちがダンスをしたりするアトラクションがあるため、そう言った曲を中心に練習日程が組まれている。部員たちは曲ごとに出入りを繰り返すため、参加しない楽曲の時も楽屋には戻らず、客席で練習を見学していた。

 

 ♪  ♪  ♪

 

 昼休みを挟んで、13時15分、再び舞台に集合。この後13時半からは「ゲネラルプローベ」、通称ゲネプロと呼ばれる時間にあてられている。ゲネプロは開演から終演まで、全て本番通りに行うリハーサルの事である。衣装も本番通りで行い、ステージ上ではもちろん、休憩時間の着替え時間などにも不備が無いかを確認する。

 

 実行委員と各係のリーダーからの連絡の後、ゲネプロに備えて、各部員は持ち場に分かれた。

 

「あー、やばいやばい……」

 ステージ袖で緊張に震える穂乃香だったが、ストップウォッチ片手にしっかりとインカムを装着し、手に持つ進行表には、進行上の注意点がぎっしりと書き込んである。準備万端の様子だ。本番は15時30分開演だが、今日のゲネプロは13時30分から。穂乃香の進行表にはゲネプロの時刻もしっかり書き込んである。これは陽毬ひまりの指導の賜物らしい。


「ま、ゲネだから気楽に行こうぜ」

「そうそう! リラックスして」

 誠也とえり子が笑顔で緊張をほぐす。


 誠也たちのいる位置から少し離れた舞台袖の音響操作盤の前には、同じくインカムを付けた陽毬がスタンバイをしている。陽毬は第1部の司会を担っており、開演前は演奏中の注意事項などを裏からアナウンスする「影アナ」を担当する。誠也と目が合うと、陽毬は笑顔で手を振ってきた。


 ゲネ開始5分30秒前。

「ま、まもなく1ベルです!」

 穂乃香が舞台袖に並ぶ部員たちに声をかける。開演の5分前に予告として鳴らすベルを「1ベル」と言う。にわかに部員たちにも緊張が高まる。


 5分10秒前。

「まもなく1ベルお願いします」

 穂乃香がインカムで伝えると、音響操作盤の前にいる陽毬が時計を見ながら、5分前ジャストのタイミングでベルのスイッチを押す。

 誰もいない客席にチャイムの音が流れる。そしてチャイムに引き続き、陽毬が開演前のアナウンスをする。まもなく開演である旨と、携帯電話等のマナーのお願いなどを伝える。いつもの陽毬の甘ったるい話し方からは想像もつかない清涼感のあるアナウンスに、誠也は彼女のプロ意識を感じた。


 1分前。

「穂乃香ちゃん、入場指示だよ~」

 陽毬からのインカムで穂乃香がハッとする。

「入場してください!」

 穂乃香が部員たちに入場を促し、下手しもて方から部員たちがステージへ上がって行く。


「ごめん、うっかりしてた」

 穂乃香がインカムで謝る。

「ドンマイだよ~!」

 陽毬が明るい声で答える。

「あわてないで、大丈夫だから」

 いつのまにか指揮棒を持ったヤマセンが穂乃香の隣に笑顔で立っていた。

「はい!」

 穂乃香も笑顔で答える。そうしている間に、部員たちが速やかに定位置に着く。暫しの静寂が緊張感をさらに高める。

 

 30秒前。

「まもなく本番です。本ベル準備お願いします」

 穂乃香が再び、インカムで指示を出す。

「本ベル、スタンバイOKで~す」

 陽毬が答える。誠也とえり子は緊張の面持ちで、ステージ袖にて舞台を映すモニターを見ていた。


「本ベル行きま~す」

 13時30分ちょうど。陽毬がベルのスイッチを押すと、先ほどと同じチャイムがホール内に響く。

「ベル終わりで、照明アップします」

 調光室からもインカムで連絡が入る。

「照明了解です。お願いします」

 穂乃香が返答する。

 

「先生、入場お願いします!」

 チャイムが鳴り終わると、穂乃香がヤマセンに入場を促す。

「ハイハイ、行ってきま~す」

 ヤマセンは軽やかな足取りで舞台に上がって行った。


 舞台袖からヤマセンの後ろ姿を見送っていた誠也は、ホールに違和感を覚えた。

「あっ! 客席、電気つけっぱだぞ」

 誠也が穂乃香に伝える。

「え? 客席?」

 予想外の出来事に、穂乃香は一瞬何のことかわからなくなる。しかし、インカムが無くても誠也の声が届く位置にいる陽毬が、事情を察し速やかに対応する。

「調光室、青柳く~ん。無線とれます~?」

 陽毬がいつもの甘ったるい口調でインカムを使って話しかける。

「はい、青柳です」

「客電、落ちてないわ~」

「あ、了解!」

 その後、速やかに客席の電気が消灯された。


「ありがと、ひまりん。助かった~」

 穂乃香が安堵の様子で陽毬に礼を言う。

「大丈夫~! あとで照明係と打合せしないとだね~」


 ♪  ♪  ♪


 15時半過ぎ、緊張のゲネプロは終了した。細かいトラブルはあったものの、プログラムは概ね順調に進行した。誠也やえり子たちも、久々のホールでの演奏を楽しみながら、本番に向けての感覚をつかむことができた。

 ゲネプロ終了後は、朝とは逆の作業を行う。即ち、舞台のひな壇を解体、そして、楽器をトラックへ積み込む。その後、部員たちは路線バスまたは自転車で学校に戻り、再びトラックから楽器を降ろして音楽室まで運んだ。これで今日の練習はすべて終了。解散となる。


 帰り道。いつものメンバーである誠也、えり子、奏夏に加え、最近は陽毬も一緒に帰るようになった。4人とも今日は、心地よい疲労を感じながら、電車に揺られていた。


「やっぱ、ステージっていいよね~」

 不意に奏夏が呟く。

「ひまりんの司会、好評だったね~」

 えり子が目を輝かせて言う。いつもの甘ったるい声からは想像できないプロのような話し方は、その後、部員の中で話題になっていた。

「まぁ、ひまりん的にはキャラが崩れるから、あんまりやりたくないんだけどね~」

 陽毬は笑いながらそう言う。

 

 誠也は女子3人のやり取りを笑顔で眺めていた。えり子は相変わらず、ひまわりのような笑顔でトレードマークのツインテールを揺らしている。真梨愛のことは何とかなりそうだ。多希のことも、とりあえずは解決した。定期演奏会までいよいよ2週間を切り、支障となりそうなものはとりあえず解決できた。あとは本番に向けて練習あるのみ。


 誠也は定演に向けて、更に気持ちを高めていった。

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