「入道雲」

夏空に映える真白の雲。

また、あの季節が巡って来た。

何も言わず私の前から消えた君。伝えたいことがあったのに。

大事な話を聞きもせずに去った君への仕返しに、私はこの児を腕に抱きいつくしむ。

最近、君に似て来たよ。

君去りし入道雲の季節。

そろそろ迎え火の準備をしようかな。

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