明け方の空に手を浸す

うすむらさきいろの光には

かなしみもよろこびも

さみしさもきぼうも

一緒くたに流れているのに

わたしには

ひとつしかつかむことができない


※※※


なにもふしぎなことでもないけれど。


※※※ 


昨日ささやかだったことが今日重大になったり、誰かにとって優しいことが悲しいことになることがあります。主観以外に、事実は事実として存在していて、たしかに共有するところはあるけれど、


例えばとても大きな球体があったとして、各々の手で触れられるのはその球体のほんの一部分だとして、


確かに同じものに触れているのに、全く別のものに触れているような、そんな錯覚を起こしてしまう。けれど、本当にこれは錯覚なのかも、よくわからないのです。

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