第14話 見えない星

うきうき迎えたはずの

夏休み

でも いまの私には

貴方に会えない

苦行の時間でしか

ない


教室で本の陰から

盗み見る

横顔が 何よりの

幸福だった


会えない空白期間と

厳しい日差しに晒され

初恋は燃える


貴方のこと

何にも知らなくて

連絡の手段も

分からないわ


宿題やるふりして

心は貴方への愛憎ばかり

叫んで

私は私の感情に

傷つくんだ


ベランダから見上げた

夜空は

明るくて 星はほとんど

数えられないや


きっと貴方からも

私は見えてないね


別の子と 恋人と知って

叶わぬ恋と 知った


行き場を喪った恋心は

夏の終わりには

見えない星になる

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