(三)-2

 その情景が視覚に入ると、少し遅れて大砲の振動音を体に感じた。

 車は一八〇度回って入口に戻ってこようとしていたが、さらなる戦車砲の攻撃でさらに方向転換を余儀なくされていた。

 そんなとき、ブーンと低いうなり声のような音が聞こえた。上空にいる攻撃ヘリ・コブラのコックピット下についているM197ガトリングガンが回転する音だ。

 空と乗用車の間で橙色の閃光が点線でつながり、乗用車のガラスが割れ、ボディに穴が開く。そして車の動きが止まり、コブラからの射撃も止んだ。


(続く)

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