(一)-3
「起きて下さい。朝倉三佐!」
そう言って俺の体を揺さぶる副長の声で目が覚めた。殴られた左頬が急に痛む。
「三佐、緊急事態です。脱走兵が出ました」
「誰だ」
左頬を押さえながら尋ねた。まさか俺の部隊から脱走者が?
俺が指揮しているのは陸上自衛隊の一個小隊だ。それも普通の歩兵連隊ではない。特殊作戦群、通称「特戦群」や「S」と呼ばれる特殊部隊だ。その第四中隊の中隊長として四個小隊を率いている。今日ここに来ているのは、第一小隊の俺を含めた計八名だ。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます