第20話

目が覚めると目の前に雛子の寝顔がありました。

「はぁぁ、可愛い」

ずっと見ていたいが、そろそろ起きなければいけない時間だ。名残惜しくもベッドから起き上がって母が用意してくれた服に着替えます。そしてダイニングへと行くと既にアヤとイマが起きていました。

「おはよ、由華音」

「おはようございます、ヴァンテージさん」

「おはよう、由華音」

「おはよう、お母さん、イマさん、アヤ」

アヤは黒のジャケット白のシャツに黒のズボンの服、イマは白いワンピースを着ている。私はシンプルなジーパンとTシャツだが。雛子は何を着るのでしょうか。椅子に座って牛乳を飲んでいると雛子が来ます。

「ふわぁ、お姉様、お母様、アヤさん、イマさん、おはようございます」

雛子は由華音が12歳の時に着ていたワンピースを着ていました。

「やっぱり、雛子ちゃんに似合うと思った」

なんだか捨てずにとっておいたのはこの為にあるんじゃないだろうかと思い始めます。

私達の着ていた服は洗っているので暫くは帰らずに過ごすことに。アヤに言ってイラストリアスクルーも休暇にさせますと、朝食を済ませます。

今日の予定は特に無く、暇をもて余しています。なので、せっかくなので母がしたいことを聞いてます。

「どうしよっか?」

「お母さんね、皆でショッピングしたいの。良いかな?」

「いいですね!行きましょ!」

そんな訳で隣町の大型ショッピングモールに向かう事に。アヤが乗ってきた車はミニバンとしては比較的小さいですが、大人5人は難なく乗れるので問題ありません。今回は案内役にイマが助手席に座り、2列目に母と私、一番小柄な雛子が3列目に座っています。それにしてもこのシートは座り心地がいい。

「なんだか娘が増えたみたいで嬉しいわ」

「私もお母様が出来て嬉しいです!」

母と雛子が意気投合しています。私も妹が出来たと言った方が良いのでしょうか。車内は終始和やかな雰囲気でショッピングモールへとたどり着きました。

「大勢で来るとワクワクするよね」

なんだか母は楽しそうです。

「どうです?お姉様、お母様」

「いいね、それ」

「雛子ちゃん、似合うねー」

とある洋服店で雛子と私と母が試着している間、少し用があると言ってイマとアヤは二人で別行動する。アヤは少々堅苦しいがイマが相手なら問題ないでしょう。

数着買った後、私達はイマ達と合流する。少し前に買いに行った気がするが雛子曰く、良いのが無かったので買ってないとの事らしい。イマ達も別の店で何か買っていたようだ。そして昼食と休憩を兼ねて近くのカフェへと寄る。

「こうして、皆でお茶するのもいいわね」

サンドイッチを頬張っていると母が楽しそうに言いました。これを見ると本当に皆を連れて帰って来てよかったと思う。

「あ、お姉様、一つ貰っていいですか?」

「いいよ」

私はサンドイッチを一つ持ち、雛子に渡すと、雛子は笑顔で受け取って美味しそうに頬張ります。それを見ていると、隣に座っているアヤが目に入りました。なんだかそわそわしている感じなので暫く見ていると、私はきっとアヤも欲しいのだと思い付く。

「はい、アヤも一つどう?」

「え、あ、はい、いただきます」

私が差し出すとアヤは少しおどおどした感じで受け取り嬉しそうに食べる。隣のイマがニヤニヤしていつのが気になったがとりあえず見なかった事にする。

アヤも雛子みたいに素直になればいいのにと思いましたが、真面目なのがアヤの取り柄でもあるし、そわそわしているのも可愛いので黙っておく事に。

食べ終わると今度は5人で回る。そしてまずは近くのカバン専門店に立ち寄る。

「お姉様、カバン持ったらどうです?」

そう言って雛子は一つのカバンを差し出してきました。私は持ち物が少ないので無くても十分だし、そんなに出掛けないし、そもそもほぼイラストリアスです。しかし、可愛い雛子が選んでくれるのだ、無視は出来ないですね。

「そうね、いいかもしれない。でも、デザインもいいけど、実用性も欲しいかな」

「わかりました!」

私がそう言うと、雛子は真剣にカバンを眺め始めました。

「わ、私も似合うの探します」

アヤも加わり、店内を歩き回ります。その後ろで母とイマが楽しそうに会話しています。

「お姉様、これなんてどうです?」

雛子は持って来たのはシンプルながらも入る容量の多い物だ。デザインも悪く無く、私も一目見て気に入ります。眺めているとアヤもカバンを持ってきました。

「これなんてどうでしょう?ヴァンテージさん」

アヤが持って来たのはなんと、雛子が持って来たのと同じ物でした。

「「あっ」」

「えーっと、二人が進めているし、これにするね」

確か、二人は別方向に行ったはずですが…。被ったのは偶然なのか、または私のイメージなのか分からないが二人が進めるのならこれ以外に選択肢は無いので私はそれを買う事にします。

その後も様々な店をまわり、帰る頃には夕暮れになっていました。

「あら、もうこんな時間。最後に皆で食事しましょ?」

母の提案で車をアヤの実家に停めて歩いて駅前の居酒屋へ行く。座敷の個室に案内されて座り、色々注文しました。雛子は未成年、アヤは運転するので今回は私と母とイマさんでお酒を飲むことに。

「娘と一緒にお酒が飲めるなんて、夢のようだわ。乾杯♪」

由華音が未成年の時に家を出ているのでその時はお酒が飲めませんが、今は成人なので飲める年齢です。母はともかく、イマとアヤも年上なので問題ありません。雛子はジュース、アヤはお茶、母とイマはウィスキーのロック、私は前世でも、現世でも初めてなのでイマが焼酎ハイボールと言う少々アルコールの弱い酒を選んでくれたのでそれを飲む事にします。ウィスキーは分かるがロックは何か分からない。しかし、二人は美味しそうに飲んでいるので今度教えて貰おう。

その後も食事とお酒を嗜んでいるとかなりの時間が過ぎていました。

「お姉様、お母様、そろそろ時間が…」

「ひなこぉ?にゅふふー、だーいすきー」

「え?え?お姉様?ちょっと?んむぅ!」

由華音はそのまま、雛子を押し倒してキスをする。

「あらあら?」

「由華音ったら、大胆ね」

母とイマが何か言っているようだが酔っている状態では聞き取れません。なので無視する事にし、目の前の雛子を可愛がる事に。

「ヴァ、ヴァンテージさん!それ以上は!」

「アヤ?待っててね、今行くから」

アヤが何か叫んでいるので構ってあげないといけないと思い、私はゆっくり立ち上がるとアヤの元へ行く。

「ヴァ、ヴァンテージさん?落ち着いてください。正気ですか?雛子さん、いつまでぐったりしているんですか! 早く起きてください!イマさん?!何笑っているんですか!見てないで止めてください!姉さん!聞いてますか!早く止めてくださいよ!」

「…へぇ、由華音って酔うとこんな風になるのね。アヤ、由華音が寝るまで相手しててね」

「そんな!非情です!薄情です!」

「えへへぇ、あやつっかまーえーたー!」

由華音はアヤに抱きつき、キスをするとそのまま眠りにつく。次に私が目が覚めた時はイラストリアスの指揮官室のベッドだった。

「んぅ、ここは?」

母や雛子達と居酒屋に行ったまでは記憶があるのだがそれ以降の記憶がありません。

「何かはやらかしたような気がする…」

不穏になり、思いだそうとするが頭がズキズキし、思い出せない。

仕方がないので着替えて食堂へ向かおうと思った時、ふとアヤが来ない事に気付きます。時計を見ても既に来ていてもおかしくない時間ですね。

「アヤ?」

インターホンで呼ぶが応答が無いので、不信に思いアヤの部屋に向かいます。

「アヤ?起きてる?」

扉をノックしても反応がありません。なので私は心配と好奇心で部屋に入ります。

イラストリアスのマスターキーは私とダンフリーズ艦長が持っているので鍵はイラストリアス内部なら全て開錠出来ます。マスターキーを使うのは初めてなのでなんだか罪悪感がありますが、アヤが心配なので躊躇わずに。

「アヤ?起きてる?朝だよー?」

中に入ると家具は少なく、質素な印象だが本棚が多いですね。本棚の本を眺めているとアヤが本屋で見ていたラノベばかりある。好奇心で一冊とって読んでみるとなかなか内容が面白い。夢中で読んでいるとアヤが起きる音がする。

「エルドラド、これはこの前本屋で見たやつね。なになに?ストーリーは、騎士団所属の青年、エド・フローライトが子供の頃、行方不明になった幼なじみを探す旅に出る…面白そうね。此方は、あ、あっせんぷとーと?えっとストーリーは、異世界に召喚された青年が神殿にあった巨大ロボットのパイロットに選ばれ、生きるだけに戦い続ける、と言うストーリーか。これも面白そうね」

「ヴァ、ヴァンテージさん?」

後ろから声がしました。

「あ、おはよう、アヤ。起きないから心配で来ちゃった」

相当疲れていたのか今しがた起きたアヤに声をかけつつ、本を戻します。

「えっと、何故ヴァンテージさんが私の部屋に?」

「アヤが来ないので心配で来ただけだよ」

「それで、私の部屋で何を?」

「あー、起こそうと思ったら本に興味そそられて…」

しかし、アヤは会話中でも目を合わせてくれない。私が合わせようと覗き込むが視線をすぐに逸らしてしまう。

「アヤー、何で逸らすのー?」

「えっと、それは…」

何だかアヤの様子がよそよそしく、顔も赤くなっているのでもしかしたら風邪引いている可能性もある、なので私はアヤの額に手を添える。

「熱は無いようね。どうする?今日は安静にする?」

「いえ!大丈夫です!」

アヤは起き上がるとすぐさま着替えようとし、私に気付く。

「あ、えっと、廊下で待ってるね」

私は廊下に出ると壁によりかかる。暫くすると着替えたアヤが出てくる。

「あ、来たね。朝食に行こ!」

「は、はい」

私とアヤは食堂へ向かう途中で寝ぼけ眼の雛子と合流し、朝食を終えます。

一昨日、昨日と休んだので今日は職務をしなければと私は気合いを入れる。

今日はアブレイズから指令が来ることなのでイラストリアスのブリッジで待機中です。クルーと会話しつつ、待っているのだがなかなか来ません。それに関しては想定内ですが私達が行く意味があるのでしょうま。そんな事を考えているとアブレイズから通信が来ました。

[やぁ、由華音、待ってたかい?]

「待ってましたが、貴方に会いたい訳じゃありません」

[つれないなぁ]

アブレイズが残念がるが私は構ってられないのでそっけない態度をとる。

「それより、何か指令があるのでは?」

[仕方がない、今回は諦めるが僕は諦めないよ由華音。それで任務だがエリアGFに穏健派の基地がある。そこにはレイスと言う男が向かったのだが、最近連絡が無い。そこで君達に見に行ってほしい]

「はぁ、わかりました。しかし、私達が行く意味あるのですか?」

[今回行く、エリアGFは山奥にある。そこの基地は場所が場所だけにあまり重要視はされてない。しかし、中継地としては重要なので、レイスに行かせたのだが…。過激派の襲撃を受けてる可能性もあるので君達に任せたい]

「そうだったのですか」

[じゃ、よろしく頼むよ。いってらっしゃい!]

通信が切れると私はヴァルカン艦長と人選と目的地とルートを確認します。

「山奥となると、ウィンダムでの単独出撃か。連れてく人を選ばなきゃ」

「それで、誰を選ぶんじゃ?」

空を飛べないイラストリアスはミューンズブリッジ基地で待機させるしかありません。しかし、ウィンダムは小さいので機体は6機しか積めません。

「機体は、アルテミューナに、副官のフェルに、サリナとミナ、ボーセルさん、アヤの偵察機も必要か、後は…バランス的にスイハとロジェも来て欲しいけど、ウィンダムには乗らないし、二人には申し訳ないけど、長距離移動用のフライトシステムに乗って周囲の警戒任務しつつ、着いて来てもらおうかな」

「ふむ、ヴァンテージ大佐がいいなら問題ないじゃろ。目的地は儂は知ってるから任せなさい」

「ありがとうございます、ヴァルカン艦長。では準備しますね」

ウィンダムをイラストリアスの甲板に停泊させ、機体を積み込みます。

私もフィオに乗って待機中、スイハとロジェからの通信が入りました。

[ロジェ、私達、遠征のメンバーに選ばれたんだけど、不安だよ]

[でもでも、選ばれるって事は期待されてると思われてんだよ、きっと大丈夫だよ。いつも通りにやればいんだよ。私も不安だけど、期待に答えれるよう、一緒がんばろ、スイハちゃん]

[うー…]

二人共、あの時から周波数変えてないのね、私に通信聞かれてるけど、いいのかな。アドバイスした方がいいのかな。でも、言わないより、言った方がいいよね。

「スイハちゃん?ロジェちゃん?私が選んだのだから、自信持ちなさい」

[ヴァ、ヴァンテージ大佐!]

[す、すみません!ヴァンテージ大佐!お喋りしてしまって!]

「いいのよ、悩んでいる部下の話を聞いて、モチベーションを維持させるのも上司の仕事よ」

[あのあの!ヴァンテージ大佐、一つ聞いてもいいですか?]

ロジェの喋り方、可愛いですね。

「いいよ、何かな?」

[えとえと、どうして私達が選ばれたのですか?]

「それはね、貴方達、自覚していないけど、成績は上位の方なのよ?」

[え?そうなんですか?]

「スイハちゃん、命中率はトップクラスだし、ロジェちゃんも防衛率は高水準。今回の少数精鋭には機体バランスを考えても適任なのよ?だから、期待してるよ」

[は、はい!頑張ります!]

[わ、分かりました!頑張ります!]

「それと、二人共、通信で雑談するときは、シークレットモードを使いなさい」

[は、はい]

[わ、分かりました…]

フィオレンティーナをウィンダムへ積み込むとブリッジへ向かいます。ウィンダムは既に補給も終えており、発艦準備が整ってます。

「ヴァルカン艦長、此方は準備完了です」

「了解じゃ、ではウィンダム発進!」

ウィンダムがイラストリアスから発艦すると、スイハとロジェの乗ったフライトシステムも離陸する。

「ヴァルカン艦長目的地までは何分ぐらいですか?」

「2時間程じゃ」

2時間となると少々暇だ。

「ヴァンテージ大佐、到着まで時間がある、少し休憩してはどうじゃ?」

「では、お言葉に甘えて」

私は以前、ウィンダムで割り当てられた部屋に行き、ベッドに横になります。

…何時間寝てたのでしょうか、現在地を確認すると目的地から少し離れた場所でした。ブリッジへ行き、状況を確認します。

「えーっと、任務はアルグの基地を様子見だったよね。連絡が無いってことは奇襲されている可能性があるけど、煙はあがってないようね」

「はい、ですが、ウィンダムで近づくのは危険かと」

そうなると機体で近付いた方がリスクは低い。

「本来は指揮官である私が行くべきなんだけど…顔知らないし警戒されるかも。そだイマさんに偵察してきてもらおう。アヤ、あの通信機を積んだ機体で中継してくれる?」

「かしこまりました。ヴァンテージさん」

私は通信で部屋にいたイマにその事を話すと快諾してくれたのでアヤには発進を促し、ブリッジからアヤの機体を見送る。白い戦闘機らしきもウィンダムから飛び立っていき、その機影の後ろを偵察機が飛んで行きました。内心、あれで大丈夫かと思ったがイマさんだし、例えあれがアルテミューナでも問題無いでしょ。まぁ、何かあったらナルシェがフォローするだろうし。

「んー、イマさんから連絡あるまで暇ね」

暇になった私はブリッジ内を歩きます。

「ゆかみん!続きをやろ!」

「え?いいよ」

イレア達と遊んでいるとアルテミューナから連絡が入りました。

「由華音さん、アルテミューナから通信です。メインスクリーンに映します」

「わかった」

するとブリッジ正面のモニターにイマが映りました。

[由華音、安全と着陸許可がとれたわ]

「分かりました、イマさん。ヴァルカン艦長、お願いします」

「了解じゃ」

ヴァルカン艦長は指示をして、基地内の指示された場所へと着陸させました。

「さーって降りて責任者に会いに行きますか!」

「由華音さん、外の気温は38度です。服装には気をつけてください」

「はーい、行くよ、雛子」

私はこの時、シレアの発言を軽く受け流していた。新たな地へ行くとわくわくしながらウィンダムのハッチを開けると熱風が襲ってきたので、私は無言で開閉スイッチを押し、ハッチを閉めます。

「あっつ、降りたくない…」

「お姉様、暑くても降りてください。任務ですので」

「は~い…」

私はしぶしぶハッチを開き外へ出ます。タラップを伝って地面へ立つと下からも熱気が来ました。

「あつーい…」

数秒で私は汗だくになる。

「お姉様、さっさと行きましょう」

「うん」

歩こうとした瞬間、目の前に1台の車が止まります。

「ヴァンテージさん、お乗りください」

「アヤ!助かったぁ…」

私と雛子は開いたドアから乗り込むと、車内は冷房が効いており快適です。

「助かったぁ~」

「そうですねー」

車内で揺られる事、数分、基地の事務所へとたどり着きます。そこにはイマと知らない男性がいた。そしてイマの傍らにはアルテミューナがあるのだが私が乗ってた時とは容姿とカラーリングが異なっています。

「ねぇ、アヤ、アルテミューナってあんな姿だっけ?」

「あれは、高機動戦闘用バックパック、シリウスを付けた姿です。ヴァンテージさんが入院中にイマさんの指示で塗装、追加のバックパックを装着をしています。ヴァンテージさんが使ってたエールユニットは空気抵抗が強く、燃費が悪いので長距離航行には適しません。なので火力を維持しつつも、抵抗の少ない巡航形態に可変出来るバックパックを装着しています」

「そ、そうなのね」

あの時はかなり長い距離を飛行をしていたような。

それよりも、まず目につくのは背中に付いている機体の腰ぐらいまで長く、幅もそれなりにある巨大なバックパックである。よく見ると翼を折り畳んでいるため、長く見えたようですね。

しかし、あれだけの物が1ヶ月ちょっとで作れるとは思えないので以前から作っていたのでしょう。

それはそうと改めてじっくり見ると機体全体は白いままだが、手と籠手と足先はグレーになり、バックパックの先端にある何かしらあるカバーとスラスターの付近と膝のパーツは赤に、頭部と胸部の追加パーツの一部と翼及び尾翼、バックパックと籠手の縁は金色に塗装してある。そしてツインアイは緑から青色になっている。

こう見ると随分カラフルになっています。以前のアルテミューナは白一色で味気ありませんでしたがイマの指示で塗装したのは意外ですね。

私がアルテミューナを見ていると一人の男が近づいてくる。

「君が由華音・ルキアル・フリード・ヴァンテージさんだね?僕はレイス・ホーク」

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