第13話 旅立ち
「お母さん!!」
「セリーさん!!」
「…レベールさん、この子、を、頼みます、」
「早まらないでください!!」
「もう、無理、この出血、量じゃ、生きれない」
「そんな、、、お母さん!嫌だよ!」
「神は、全てを、決める。女神は、世界の、均衡を、保つ。
母は、
「古代より、神の運命、には、抗えないんだよ。」
「お母さん…!」
「リーザ、私の剣を、持って、行きなさい。そして、幸せになりなさい。ずっと、見ておく、からね…愛して、る…」
「お母さん!!お母さん!!」
「セリーさん!セリーさん!」
その言葉を最後に、瞳を閉じた母に向かって、二人して呼びかける。だが、もちろん反応はない。
一時して…
「リーザちゃん、 一度、僕の店に戻ろう…」
ファウストさんの目は、さっきまるで、違う。
「分かりました。」
私達は、無言のまま店に戻った。
「リーザちゃん、適当に座ってて、」
「はい、」
ファウストさんは、エプロンを直しながら、私に言う。
また、守れなかった。大切な人を。なんのために、私は、魔法を練習してきたのだろうか?いざという時に役に立たなければ、意味はないのに…これから、どうしよう?…
「とりあえず、これ飲んで」
ファウストさんは、私の前にミルクの出す。
「暖かいだろ?外は、寒いからなぁー。」
「はい…」
シーンとする。時計の針の進む音だけが、二人の空間の時間が進んでいることを示す。
唐突に、私は、眠気に襲われた。
色々あったからだろうか?
私の頭が、机につく。思うように体が動かない。私は、眠りについてしまった。
「ごめんね。リーザちゃん」
ファウストは、リーザに布をかえ、店の扉を開ける。そして、目的地へと向かう。
─────────翌日─────────
「う…ん…」
私は、寒くて目が覚めた。
「おはよう。リーザちゃん。」
「おはようございます。ファウストさん。すみません。気がついたら、寝てしまっていて。」
「いいのいいの。それで、ごめんだけど、ちょっと留守にするよ。」
「どこに行くんですか!!?」
少し、考えて、ファウストさんは、
「君も来るかい?けして、いいものとは、ならないけど。」
「行きます。行かせてください!」
「…分かった。」
歩くことやく15分程度。
「この旗って、、」
「王国保安隊リベセント部隊だ」
「一応、捜査を頼んだ。」
険しい顔をして、ファウストそんは、建物に入っていく。そして、私もそれに続く。
ファウストさんが受付と話をつける。
そして、建物の奥の部屋に連れていかれた。
「よ!ファウスト。…その子が例の子か?連れて来たのか?」
「あぁ、来たいと言うから連れて来た。」
「初めまして、リーザ・ロアスです。」
「ザール・フェルトだ。アンタが聞きたいなら聞いとけばいい。」
私を見て言う。
「被害者は、セリー・ロアスさん。死因は、恐らく、お腹を刺されたことによる、出血多量だと暫定。加害者は、不明。夜の犯行と街の外ということもあってか、目撃者はいない。
続いて、犯人を追いかけた、ピーター・ロアスさんについてだ。今朝早く、捜索隊が、街から約1.2km先の山で、血痕と戦闘を行ったあとを発見した。その戦場で、破壊された、剣も発見した。ちょうどいい。リーザ。これは、君の父さんの剣かい?」
そう言って、三つほどに割れた、剣を私に見せた。剣には、泥が付着しており、店で、食事をしていた時と全く別物に見える。だが、
「私の父の剣です。」
そう一言述べた。
「…そうか、えぇー、現場の状況から、犯人を追いかけた、ピーターさんは、犯人と、犯人の仲間、数人から、返り討ちにあい、殺されたと思われる。そこから、遺体は、馬車で、運ばれた模様だ。以上が、保安隊の見解だ。」
「ありがとう、ザール。」
「いいんだ。仕事だから。それと、現段階で君らに言えることはもうない。」
「そうかい。改めてありがとう。」
「ありがとうございます。ザールさん。」
「じゃ、おれは、おいとまするよ。」
◇◆◇◆◇
これから、どうしようか?両親は、恐らく死亡。両方の祖父母のことを知らないし本当にどうしようか?今、頼れるのは、ファウストさんだけ。だけど、迷惑かけるわけにはいかない。このまま、旅に行こうかな?とりあえず、この国の、王都に行こうかな?そこから、この世界を旅するのをいいかも。
「ほい。朝からなんも食べてないやろ?そこのパン屋で買ったパンや。腹減ってなくても、腹に入れとけ。」
保安隊の前の花壇に腰を掛けている私に、パンを渡してきた。
「あっ、ありがとうございます。」
「あの、ファウストさん。」
「ん?どうした?」
「今回は、ありがとうございました。」
「礼はいらん。それよりも、これからは、どうするだ?」
「これからは、旅に出ようと思います。とりあえずは、王都に行こうと思います。」
「王都か…ここから、そこそこ距離があるぞ。大丈夫か?」
「なんとかします。」
「……リーザ。君が───」
「ねぇ」
ファウストさんとの会話中、会話を遮るように、高い、女の人の声がする。
「さっき、ザールから、話を聞いたのだけど、私の所に来ない?」
知らない女の人からの誘い。
「あなたは、誰ですか?」
一歩前に出て、女に問う。
「名乗り遅れましたね。うちは、森の黒魔女と呼ばれています。リー・ドラインと申します。」
この人の魔力が、この人の左目に集まった?
どうして、左目に?というか、すごい技術だ。少量の魔力なら、一部に集められるが、こんな大量には、集められない。この人、相当な実力者だ。
「フフ、」
女が鼻で笑う。
「なぜ、リーザを狙う?何が面白い?」
そんな、女にファウストさんは問う。
「そんなの一択ですよ。面白い存在だからです。」
「面白い?」
「あなたには、関係ないことです。」
ファウストさんと、森の黒魔女は、やり取りを続ける。その声で、ザールさんが来た。
「ファウスト、止めろ。」
「……!?ザールどういう事だ!?」
「リーザ、君は、強くなりたいだろ?両親を殺した、犯人が憎いだろ?相手を殺すのにも、自分を守るのにも、力は、必須だ。どうだ?もし、強くなるなら、リーさんのところで、魔法を習った方がいい。」
リーと言う人物がニコッと静かに笑う。
この人とは、初めてあったから、本当にこの人がいい人物なのか分からないどうする?私?
「君は、街という柵の中にいるから、分からないと思うが、街を出ればそこは、戦場だ。街の外で、魔獣や魔物を見ないことは無い。考えてみてくれ。そんな世界で、小娘一人で生きていくなんて、はっきり言うと無理だな。」
その場がシーンとなり、誰も発言しない。沈黙が続くこと約30秒。ファウストさんが口を開けた。
「親友を二人、亡くした僕から述べると、大切な友人の子供には、死んで欲しくない。だから、リーザ。僕からもお願いだ。リーさんに色々、教わってみないか?」
「強さは保証しよう。」
ファウストさんに続き、ザールさんが言う。そこまで、言われている。心配を掛けているわけだ。まだ、人生は、長い。決めた。
「私、決めました。」
みんなが(特に、ファウストさん)が真剣な眼差しで、私を見つめる。
「リーさんに教わりたいと思います。改めて、リーさん、私に、魔法を教えてくれませんか?」
「その答えをうちは、待っていたよ。」
「…リーさん、リーザを頼みます。」
「あぁ、任されたよ。」
そう言って、リーさんは、ファウストさん、ザールさんに別れを言う。
「ファウストさん、ザールさん。お世話になりました。本当にありがとうございました。」
「良いてことよ。な?ファウスト?」
「あぁ、元気でな。いつでも、帰って来いよ。」
手を振る。振り返している。その人影は、だんだん小さくなっていく。
これから、私の大事な一歩だ。絶対に、犯人を見つけ出して、氷漬けにしてやる。
「とりあえず、リーザ。の家に行こうか?荷物ないでしょ。」
「あっ、はい。」
私の人生は、長いんだ。たとえ、神の運命で決まっていても、神に抗ってみせる。これから、私の人生に色が着くんだ。
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