剣を直すのに必要なもの3
「まあ諦めずに調べてみようか」
シタチュフリスガもクエストに名前が出ているのでシタチュフリスガもシタチュフリスガとして認識されている。
他にも鑑定スキルでモンスターの名前が判明したりする場合もある。
ただこれまでの経験上名前が判明する前にこちらでの名前をつけられるその名前が適用されてしまうようだと圭は思っていた。
叫ぶなんとかとかほかの世界でつけると思えないが、圭が真実の目で見た時にはこの世界で知られている名前で表示されていた。
モンスターの名付けルールはかなり曖昧なままここまできてしまっている。
今ではある程度のルールがあるけれど、モンスターの種類が増えてきて既存のモンスターと違うのか、亜種や変異体なのかとか判別も難しくなった。
イスギスが知っているモンスターがいても名前が違う可能性があるのはなかなか面倒であった。
「おっ、これはあった」
一つ一つ調べていると検索にヒットするモンスターもいた。
「ブリアンサタダイン……のツノ……」
ヒットしたのはブリアンサタダインというモンスターで六本足のサイのような見た目をしたモンスターであった。
「ブリアンサタダインの素材はヒットしないな。えっと……」
素材が流通していて手が届く金額なら買ってしまえば早い。
ブリアンサタダインの素材はないかと探してみるけれどそちらの方はヒットしなかった。
なのでブリアンサタダインの方そのものを探してみる。
「発見は5年前……出現も一回のみか。これじゃあ素材なんて残ってないよな」
ブリアンサタダインの情報を見てみると中東に出現したゲートで出たモンスターで、ゲートも5年前に出現したものであるようだった。
他にブリアンサタダインが出現したゲートはなく今のところ一回限り現れたようである。
当時は素材もあっただろうが5年も経ってしまったので素材も残っていないだろうし、残っていても探すのは困難な上に値段も上がっているだろう。
現実的にブリアンサタダインの素材を入手するのは難しそうだ。
「これはダメだな」
圭はブリアンサタダインの名前の横にバツ印を書いて無理そうなことを残しておく。
他にも名前が見つかったものはあるけれど出現時期が古くて素材が残っていなさそうだった。
「次はアダマンタイトリアンドラゴン……ドラゴンなのは分かるな」
長い名前だなと思いながらアダマンタイトリアンドラゴンを検索する。
「ないか……」
アダマンタイトリアンドラゴンという名前のモンスターはなかった。
「ん?」
公的な記録だけでなくどこか鑑定スキルなんかでこっそり名前が出ていたりしないかなと普通のウェブ検索も行っていた。
適当に流して見ていたら気になるものがあった。
「鉄鋼竜……アダマンタイトの並の硬度……」
それはかつて出現したことがある鉄鋼竜というモンスターの素材ついての記事だった。
鉄鋼竜というモンスターは全身金属のような硬度を誇り、当時倒すのにとても苦労したがその価値があるぐらいの素材が手に入った存在である。
鉄鋼竜の素材は金属質で加工も金属のように行えるのだがアダマンタイトというゲート産の希少金属と近い性質を持っているのだと書いてあった。
「アダマンタイト……アダマンタイトリアンドラゴン……」
なんとなく語感が似てるなと圭は思った。
「アダマンタイトリアンドラゴンはどこでもよし……逆鱗、あるいは心臓だとなおよし。アダマンタイトリアンドラゴンの心臓……」
ふと圭は以前そんなものの存在を聞いたなと引っかかる。
「鉄鋼竜の心臓……そんなもの和輝さんが持っていたねぇ」
「あっ、それか!」
シャリンとフィーネとお菓子を食べていた夜滝は以前和輝が鉄鋼竜の心臓を持っていると話していたことを覚えていた。
夜滝に言われて圭も思い出した。
「………………」
「気になるならお願いしてみればどうだぃ?」
「ま、まあほかの素材が見つからなかったら話してみようか……」
アダマンタイトリアンドラゴンの横には三角印をつけておく。
「ケーイ〜ひーまー」
「もうちょい待ってな」
圭がパソコンに向かって見てくれないからシャリンが後ろから圭に抱きつく。
シャリンのことをなだめながら圭はリストにあるほかのモンスターも検索を進めたのであった。
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