封印を解いて13

「どうだ、カレン?」


「うーん、なんか言葉にするのは難しいけど力が湧いてくるような感じがあるよ」


『八重樫カレン

 レベル51

 総合ランクD

 筋力C(C+)(伝説)

 体力C(B)(神話)

 速度D(一般)

 魔力D(D+)(英雄)

 幸運E(一般)

 スキル:大地の力(+)

 才能:不屈の再生力を持つ肉体』


 レッドフォックスレックスなどの戦いを経てカレンもいつの間にかレベルが上がり、総合ランクもD級になっていた。

 才能や盾の効果もあってカレンの体力はB級にまでなっている。

 

 一般的なタンクの能力値がどれほどのものなのか圭は知らないけれどかなり優秀な方なのではないかと思っている。

 さらには盾の効果かスキル大地の力の横に見慣れないプラス表示まで増えていた。


 レベルアップによって魔力もD級になっていて盾を扱うのにギリギリ届いていたのもラッキーであった。


「ふぅ……疲れたわい」


「かなり力使いましたね」


「うむ。それほど強力な封印であった」


 右近が持ってきた冷たい水を飲む剣心はようやく汗が引いてきていた。


「これならばあの黒刀も期待ができるな」


 本当に力が封印された魔道具であった。

 こうなると圭の鑑定により信ぴょう性が出てくる。


 剣心はチラリと黒い鞘に収められた黒い刀に視線を向けた。

 盾と同じように力が封印されているとしたら魔石がたくさん必要だなと考えていた。


「これで取引は正式に終わったな」


「ええ、ありがとうございました」


 実際圭たちの方が得をしたのではないかと思う。

 剣心が封印を解くのに使ったのはB級モンスターの魔石である。


 圭がブラックマーケットで売った時の金額を考えると使った魔石の金額は五億円でもきかないだろう。

 以前に売った時は魔石は普通は出回らないことに加えて質も高かったのでかなり高額になったので単純な比較はできないが、それでもかなりの金額になる。


 鑑定不可となるようなものを鑑定できる人が他にいないとしたら圭のやったことの価値も計り知れはしないのだけど、圭の実感としてはやっぱりありがたいという感覚があった。


「このようなものがあるとは私も予想外だった。良い経験になったよ」


「こちらとしても助かりました」


「もしよければ連絡先を交換してもらえないか? うちのは高等級覚醒者で時折変なものをゲートから持ってくる。メインで鑑定してくれるのは恵美子さんだがまたこうしたことがあるかもしれない」


「ええ、構いませんよ」


 世界でも数少ないオープナーと繋がれるのは良い機会である。

 剣心の人柄もよく、ついでにA級覚醒者である風馬ともお近づきになれるチャンスだ。


「右近……私のスマホを……」


『イスギスがあなたと交渉したがっています!』


「……えっ?」


「どうかしたか?」


 圭の前に表示が現れた。

 思わず声を上げた圭を剣心が不思議そうな顔で見る。


「し、師匠!」


「むっ? ……なに!」


「みなさん、下がってください!」


 圭の前に表示が現れた直後魔石がカタカタと揺れ出し窓も開いていないのに風が吹き始めた。

 部屋の真ん中に魔力が集まって青く目に見えるようになって、みるみると渦巻く魔力が大きくなっていく。


 その場にいた全員がすぐにその正体を察する。


「ゲートです!」


ーーーーー

後書き


こちらの話を持ちまして当小説400話となりました!

ここまでお読みくださって誠にありがとうございます!


物語はまだまだ続きます。

目標は500話100万字!


よかったら星、応援、応援してるや面白かったなどのコメントあるとやる気になります!


改めていつも読んでくださってありがとうございます!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る