倒して出るか、死んで終わるか5
シークレットクエストをクリアすれば貴重なものがもらえそう。
しかし北条に疑われるリスクや単独行動のリスクまで背負ってシークレットクエストをやることに積極的な気持ちは持てなかった。
「……見なかったことにするか」
「それでいいんじゃない?」
もしかしたら何かの最中にシークレットクエストを北条がクリアすることだってあるかもしれない。
今はまず無事にレッドゲートから帰還することが圭たちにとっても最優先事項となる。
リスクを取らないこともまた大切な判断である。
圭は表示を消してシークレットクエストには挑まないことにした。
「にしてもあれだよな。こういうやつをクリアした人がゲートで貴重品でもゲットできるのかもな」
「確かに、時折あるアーティファクトとかたまたまシークレットクエストをクリアした可能性あるねぇ」
時にゲートで武器やアーティファクトなど貴重な品が見つかることがある。
低等級のゲートで見つかることもあるので条件は判明していないが、このようなシークレットクエストが突発的に発生したのかもしれない。
そして偶然覚醒者がシークレットクエストの条件を達成してゲートをクリアした結果に何かの報酬を得た可能性がある。
ただそうであるとしてもシークレットクエストが発生する原因が分からなければ結局何も分かっていないのと変わりはない。
「塔でもそんな感じだったもんな」
圭たちも塔でシークレットクエストをクリアして良いものをもらった。
アメリカと中国は偶然シークレットクエストをクリアして報酬を受け取ったようであるし、シークレットクエストがあると分からなくてもクリア自体は可能であると考えられる。
誰も知らなかっただけでシークレットクエストがあるゲートが意外とあるのかもしれない。
「報酬は分からないんですか?」
「シークレットクエストの内容しか書いてないな」
「何が貰えるのか分かれば多少はやる気になるんですけどね」
それもまたあると圭は思う。
報酬がリスクに見合ったものなのかという不安があるのでシークレットクエストをやるかどうか迷うところがある。
何が得られるのか事前に知ることができて、それが良いものであるならやってみようと思うのだ。
「でも良いものもらえるとしても……なんだ?」
「おや……今度は圭だけじゃないね」
またしても突然だった。
圭を含めて城の前にいた全員の目の前に金色に輝く封筒のようなものが現れた。
『王族の奇妙な招待状が発動しました!』
「王族の奇妙な招待状?」
同時に表示が現れて圭は眉をひそめた。
しかし封筒はみんなの前に現れているけれど表示は圭の前にしか出ていないようでみんなこれはなんだと動揺している。
『王城に招待されます!』
黄金の封筒が開いた。
圭はなんだか嫌な予感がした。
「みんな、近くに!」
どうしたらいいのかは分からないけどとりあえずまとまっていた方がいい。
圭がそばにいた薫に手を伸ばそうとした瞬間世界がぐわんと大きく歪んだ。
そして城の前には誰もいなくなってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます