母という人 002
瀬戸はや
第2話
002
母は料理も得意だった。誰かが来たりする時には一番の得意である 揚げ物 、特にエビフライを作っていた。エビフライの他にも ヒレカツを作るのも得意中の得意だった。正直に言ってこだわった料理はあまり得意ではなかった。ただエビや ヒレカツ をあげるだけというフライものは得意だったし 美味しかった。よく大阪から泊まりに来てくれた 叔父や 祖父には人気があった。だが正直言って叔父や祖父が母の料理のことをどんな風にどんな風に言っていたのか正直全く覚えていない。もしかしたら叔父や祖父は揚げ物のエビフライや ヒレカツを美味しいと言って食べてはいたけれど、 正直 あまり 歓迎していなかったのかもしれない。今思うと家で食べる料理としてはあまりにも単純 で美味しいものにうるさい大阪人としては これではなという気持ちがあったのかもしれない。祖父も叔父もその点については 文句を言わなかったので美味しいことになってしまったのかもしれないが、叔父も 祖父も思ったことを全て口にするとは限らないので相手が喜びそうなことだけを言って済ませていたのかもしれない。そんなところだろうと 今は思っている。
本当に料理が上手な人のところで行ったら普通では見たこともないようなものを出してくれるのかもしれない。世の中にはこだわった人もいるから初めて見るようなものを出してくれるかもしれない。正直言って 母の腕前は2 と言うか ごくごく 平均的なものだったろうと思う。だから 母は料理上手だということには 小千谷 祖父の 多分な思いやりが含まれているのではないかと 今は思っている。要するに 祖父や叔父と母はとても仲が良かったということだ。
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