trifoglio

永遠に咲けない花の想いで

あなたを愛していたの


わたしは野に咲くクローバー


純白の花のような

あなたのこころに恋をした


わたしの髪に花を飾り

背中に隠したその手で

わたしに花を贈りほほ笑むあなた

何度想像したことでしょう


でもあなたの好きな彼女は

小さな一輪の花のように綺麗

咲けないわたしは

日向の原っぱでひとり泣いたわ


憎しみに駆られて

あなたを物語の夢の終わりに

引き摺り込んでしまったの


わたしがそうだったように


綺麗なドレスを飾りながら

あなたとともに踊ることを

想像してももう叶わないのね


どんなに美味しい紅茶や

甘いお菓子を食べて暮らしても

毎日寂しい気持ちになるのは

あなたがもうこの世界に居ないから


どんなに美しい物語を読んで

宝石の光を浴びてみても

満たされないのは

あなたがもう2度とわたしを

愛してはくれないから


わたしはトリフォッリオ

野に咲くクローバー


夢に見ていた物語の果てに

翼を切り取られた天使


羽ばたいても羽ばたいても

あなたに届かない

あなたと彼女は月の上でも

結ばれたと言うのに


静かな森の中で

綺麗なドレスを着て眠りましょう

あなたの撫でてくれる大きな手

綺麗だと言って翼を撫でてくれる

涙の花が咲く








わたしは物語の中で生きている

物語を抜け出してあなたのところに

クローバーを一輪あなたに

切り取られた翼を撫でてと

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