【完全初見】ダンジョンマスターがダンジョン配信に便乗してみた 〜唯一、俺のダンジョンを配信していた陰キャぼっちの女の子と共に俺のダンジョンを人気にしてダンジョンに来る人を増やそうと思います〜
#17 増えたメンバーとダンジョン配信をした その1
#17 増えたメンバーとダンジョン配信をした その1
〈今日の配信これだけ?〉
〈もう終わり?〉
〈終わっちゃうの?〉
リオールのオーディションが終わってリスナー達は配信も終わるものだと勘違いし始めている。
しょぼくれていないでさっさと次に移らないと折角増えたリスナーが去って行ってしまう。
「終わりじゃないから。……ということでメンバーも増えたのでダンジョン探索をやりたいと思います。2人とも準備はいいか?」
「何、そのテンション。キモ」
頑張ってリスナーが離れるのを引き止めているのに含み笑いをして貶すリオールと貰ったプリンに夢中で返事すらしないアイ。
「くっ……とにかく、ダンジョンに行くぞ! ほら、これ持って!」
昨日、マッピングした紙のコピーをリオールに渡し、3脚からカメラを外して2人に向けてダンジョンへ促す。
「うっさいなぁ。言われなくても行くとこだったし」
「はいはい。それは失礼しましたねー」
「アイちゃん、デート行こ!」
「……うん」
今、返事した? 俺の問いかけに返事をしなかったのはプリンに夢中だったからじゃなかったのか。
何なんだよ、コイツら。
モヤモヤした気持ちを抱えながらダンジョン探索が始まる。
昨日、通ったおかげなのか仲間が増えたおかげなのかわからないけど、足取りは軽くなっていてものの数分で最初の分岐に到着した。
「分かれ道かー。昨日は右に行ったよね」
「……うん」
マップを見ずに昨日の経路が分かるって事はリオールはリスナーだったのだろうか。
「どっちに行くんだ?」
「うーん、リスナーにも聞いてみたら? アンケート機能があるでしょ? ライブ配信なのにただ観てるだけってのもつまらないと思うし」
「なるほど! では、アンケートを取りまーす……って、どうやってやるんだ?」
「知らなーい。わからないならコメントに打ち込んで貰えばいいじゃん」
「そうだな。では、リスナーの皆さん、お願いします」
流れるコメントを追いかけた結果、圧倒的に左が多い。
まだ通っていないルートを観たいという事なのだろう。
「左が8割ってとこだな」
「ふーん。アイちゃんはどっちがいい?」
「……右」
「じゃあ、右に行こ!」
「何でだよ!」
「配信ではアイちゃんの意見が全てだから」
「なら、何でリスナーに聞いたんだよ!」
「聞いただけだし。少なくとも右って言った人は希望通りになったわけだし、左って言った人は次は当ててやるってなるじゃん」
「くっ……」
何故か妙な説得力がある。これは俺が元リスナーだったからなのか?
〈カイザー論破されてて草〉
〈リオちゃんわかってるー〉
〈アイちゃんまだ食べてるw〉
リスナーもリオールに賛同。アイやリオール、リスナーの両者がそれでいいって言うなら俺は何も言う事はない。
「さ、行こ! アイちゃん!」
「……うん」
最初の分岐を右へ行き、暫く進んだ所でアイが足を止めてリオールの後ろへ隠れた。
「どうしたの? アイちゃん」
「……怖い」
「またか……。壁の出っ張りで出来た影だって言っただろ」
「……オバケに見えるんだもん」
「あのなぁ……」
昨日と同じ場所で立ち往生。アイの怖がりに呆れていると予期せぬ事態が起こった。
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