ダグル迷宮地下二階層……無駄な行動から得たもの

 ここはダグル迷宮地下二階層にあるエルとシルフィアが居る部屋。

 エルとシルフィアは、グリモエステルスと話をしていた。


(どうすれば、教えてくれる?)

 ”このぐらい自分で考えたらどうだ。できないことはないはずだよ……儂の所有者である君ならね”

(グリモエステルス……過剰評価するな!! 俺は、そんなに知識なんてない!)


 ムッとしてエルは、そう言い放つ。

 その様子を聞いていたシルフィアは呆れている。


 ” 知識がないなら、考えたらどうだい。まさか、それをするのが嫌だって言わないよな”


 段々とグリモエステルスの口調がキツくなってきた。


(……クッ、嫌じゃない。あー分かったよ……自分でなんとかすればいいんだろっ!)


 エルは、やけくそになる。


 ”フゥ……今の君は、一人じゃない。今までとは違う……その意味が分かるかい?”

(そうね……エル、グリモエステルスの言う通りだと思うよ。ここは二人で、解決策を考えよう)

(ああ、そうだな……そうする)


 そう言いエルは不貞腐れながらも納得した。


 ”じゃあ儂は、しばらくみてるよ”


 それを聞き二人は頷く。その後、目を開いた。


「フゥー、さてどうする?」

「そうだね……ここにはログスとララファを連れてこれない。んー……荷物だけなら持っていけるよね?」

「荷物か……」


 そう言いエルは目の前に無造作に置かれている、いくつかの荷物をみる。


「バッグやリュックは合わせて四つか。あとは身に付けている物やポケットの中だな」

「うん、そうなると……混ざっちゃうけど入るだけ持っていこう」

「ああ、そうだな」


 そう言いエルとシルフィアは、バッグやリュックの中に亡骸が身に付けている物を入れ始めた。それと地面に転がっている物とかも入れる。


「服とかはどうする?」

「どうしようね。ちょっと気が引けるけど……身元を……」


 そう言いかけシルフィアは手がとまった。


「ねぇ、これ冒険者の身分証」


 シルフィアは亡骸のポケットから、冒険者の身分証であるミラルカードを取り出してエルにみせる。


「そうか……そうだよな。ここに居るのは、みんな冒険者だ」

「うん、姓が分かれば……この中に居るのかも分かる」


 そう言い二人は、亡骸を調べ始めた。

 しばらくして二人は全ての亡骸を調べ終える。


「……居なかったな」


 そう言いエルは疲れて地面に座り込んだ。


「そうだねぇ……だけど、どうする。このままにしておくの?」

「動かすのは、まずいな。この場所は、地図に記載されているか?」

「ちょっと待って……」


 シルフィアはバッグの中から、通った道が記載される地図プレートを取り出した。


「んー、大丈夫みたい。ちゃんとここまで通った所が記載されてるわ」

「じゃあ、ギルドに連絡して来てもらった方がいいな」

「うん、じゃあとりあえず……このままにして行こう」


 そう言いシルフィアが立つとエルも立ち上がる。


「結局、あの二人の兄貴はみつからなかった」

「でも、私は……ホッとしてる」

「そうだな……まだ、生きてる可能性がある」


 そう言いながら二人は、出口を探していたのだった。

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