異世界奴隷ハーレム
志熊えぬ
#1 転移
多くの女の子に溺愛され、毎日ウハウハの生活を送る。
これは男性、皆が一度は夢見るはずだ。
俺はそれを夢見て頑張ってきた。
この目標を達成するためには、魅力的な男性になり、お金持ちになり、社会的な地位を築かなければと考えた。
一度、それっぽい事を試してみたがやはり金は必要だと痛感した。
そして、女の子の心を繋ぎ止めておくにも自分磨きは必須だと感じた。
俺はそれを理解し、金持ちになれるように馬車馬のように働いた。
人を不幸にして稼ぐ金は嫌だったので、人の為になる仕事を選んだ。
自分磨きも相当頑張った。
しかし、働きすぎか運が悪かったのか身体を壊してしまった。
2年病と戦ったが結局死んでしまった。
無念だ。
本当に。
?
意識がある?
どういうことだ?
「私が呼んだんだ」
男の声だ。
誰だ?
何も見えない。
それに身体の感覚も感じられない。
「君は死んだのだ。
そして死んだ君の魂を呼んだのだよ「
俺の名前を知っている?
「君の魂を覗いたからね。
君がどういう人でどのような人生を送ってきたか見させてもらった」
誰だ?
「私は神だ」
……俺は夢を見ているのかもしれない。
「夢ではない。
私が君の魂を呼び寄せたんだ。
新たな生を与えるために」
……そんな馬鹿なことがあるか?
「信じられないのも仕方がない。
そっちの世界にはこういう創作物があっただろう?
それと似たことだ」
確かに読んだことはあるが……
「君の魂を読んだが数多の女子を侍らせるために相当努力していたようだな。
動機は不純だが、為したことは素晴らしい。
新たな世界ではその夢、叶えてみせよ」
ガッツリ頭の中を覗かれたみたいだ。
不純な動機なのは理解しているが、他人に指摘されると恥ずかしい。
「病の辛さを知る君には褒美として「治癒の力」を授けよう。
この力で自分とその周りの人達をどんな傷や病からも救い、守ることが出来るだろう」
ありがとうございます?
「それではさらばだ。
新たなる人生を謳歌したまえ」
ちょっと待って下さい!
返答がない。
もしもし!
え?
説明不足じゃない?
次の瞬間、ふっと身体が待ち上がる感覚がした。
感覚がした?
目を開けると道の側に横たわっていた。
立ち上がってみる。
身体に違和感が無い。
むしろ元気が有り余っている感じだ。
そうか俺は病から開放されたのか。
あの辛く苦しい日々から脱したのだ。
涙があふれるのを抑えられなかった。
神様、心から感謝します。
俺は自分の身なりを確認した。
いかにも村人っぽいモブな服装だ。
だが、着心地は悪くない。
ショルダーバッグを一つ肩にかけていた。
中身を確認すると、貨幣っぽいものが複数入っていただけだった。
価値が全然わからん。
横に水たまりがある。
自分の姿を確認してみる。
「俺……っぽい?」
死に際の自分自身の姿なんて見てない。
元の元気な頃の身体に似ていたが、より高身長で筋肉も付き、顔も整って見える。
神様が補正してくれたのかな。
別に前の自分も悪くなかったと思っているが、正直嬉しい。
神様が言っていたことを思い出す。
確か、どんな傷や病も治す治癒の力を授けるとか言っていたな。
試してみよう。
本当に怪我をして実験するのはまたの機会にして、とても簡単なことから実験だ。
地面を殴ってみる。
痛い。
拳が赤み掛かっている。
とりあえず、「治れ」と念じてみる。
すると、拳の赤みが引いて、ジンジンとした痛みが無くなった。
どうやら本当っぽいぞこの力は!
他の人にも効くかどうかも調べないといけないが、それは後回しだ。
周りを見る。
道が一本伸びている。
片方の道の先は森の先に続いているようだが、もう片方には立派な壁が見えた。
おそらく街かなにかだろう。
俺は壁に向かって歩き始めた。
壁に近づくと門と門番が見えた。
門を通る時、門番はただ見てるだけで、何も言わなかった。
そんなもんなのか。
門を抜けると建物がたくさん見えた。
西洋のファンタジーにありそうな町並みだ。
すると、子供が話しかけてきた。
ふさふさの耳を持ち、尻尾があってびっくりした。
獣人というやつか。
「お兄さん、この街は初めて?」
「あ、ああ」
「この街の情報教えてあげるよ。
前金小銅貨1枚、後金小銅貨3枚で」
言葉が普通に理解できてることに驚いた。
言葉が通じない可能性を見落としていたが、通じている。
神様の力だろう。
神様に感謝。
カバンの中から小銅貨を探す。
銅色のうちの小さい方を取り出す。
「これでいいか?」
獣人の少年に手頃な宿、市場、ギルド、教会の場所などの基本的なことを教えてもらいながら、気になったことを教えてもらった。
そんな話の中で奴隷商館があるのを知った。
そうかこの世界には奴隷がいるのか。
奴隷は盲点だった。
女の子の奴隷が買える……。
遠い道のりに思えたハーレムを実現できるかもしれない。
俺は心が踊って仕方がなかった。
俺は目的地を決めた。
少年に後金を支払おうとして気づいた。
少年は左手を怪我していた。
「少年、助かったよ。
後金の小銅貨3枚だ。
気になっていたんだけど、その腕の傷はどうした?」
左腕に擦りむいたような傷がある。
「これは、約束を破ったケチな客にやられたんだ」
「見せてほしい。
ひょっとしたら直せるかもしれない。
案内のお礼として受け取ってくれ」
少年の左腕に触れて、治るイメージを浮かべる。
すると、傷は消えて無くなった。
治癒の力、他人にもちゃんと使えるようだ。
「?!
お兄さんの魔法?
お兄さん、ありがとう!」
少年と別れ、すぐにでも奴隷商館に向かいたいが、どれほどの値段なのか知らない。
それに貨幣価値もまだわからない。
その勉強のためにもまずは市場に行くことにした。
美味しそうな串焼きを買い小腹を満たしつつ、市場調査を行う。
首に首輪のような印がついた人を見つけ、声をかけるとやはり奴隷の人だったようだ。
その主人に話を聞き、奴隷の基本的なあれこれを聞いた。
その主人の店はアクセサリーを売っていたので情報の代価としてネックレスを買った。
「奴隷を買いに行こう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます