02 せっかく作ってみたエッセイ枠で「終戦」などを
2023/08/09(水)長崎平和祈願の日
78回目の終戦の日を迎える前に、今思っていることを書きとめておきたい。
以前、すこしだけ付き合いがあった女性が「祖父は軍人」と言っていたのが当時から気にかかっていてね。
平成の時代も後期も後期のイマドキ、そんなこと言う女がいるのか? と、すっごく不思議だった。のちのち彼女を観察していると、非常に自己顕示欲やら自己承認欲求やら、ブランド物大好きな性格だということが判明。他にも、人間としての最低限の礼儀も弁えていない事実があり付き合い自体を断ちましたが(苦笑)。
祖父が軍人などと言っているわりには生まれてから此の方、靖國神社に詣でたこともないという恐ろしいダブスタ野郎。四才下の結婚相手も、ダブスタまん虚栄心を満たす存在をブログで日々誇示という醜悪さ満載。
いや話の本筋は、そういうことじゃないのよ。
「あたしの血脈には軍人がいる!」などとキッパリ言い切るからには、その身内さんは正規の海軍省なり陸軍省の職員だったのだろう(ご存命時の所属していたところの名称は、知らないけどね)。で、太平洋戦争時には地方から招集されてきた皆さんを指揮したりしていたと。
先ほど「靖國神社」というワードを出しました。
わたしは東京旅行をすると必ず参詣いたしております。
こんなにいい加減に生きている人間でもなんとか平穏に生きていられるのは、あの戦争で犠牲になった様々な方々が礎になってくださっているからだと思うから。それは歳を重ねるごとに痛感いたします。
靖國には英霊の御霊が祀られているといわれます。英霊、の言葉の響きからいうと学鷲の方々や職業軍人……制服に沢山の階級カラーをつけているような人たちを想像するのが自然でしょう。かくいうわたしも、そうです。でも、そういう人たちだけが「英霊」で「靖國にいる」のでしょうか?
(ちょっと前に、そんなエリート階層だけが靖國神社で祀られているという……かなり断定的な書き込みがSNSにありましたので。悩んでしまいましたのが、まぁこのエッセイの動機です)
(悩むほどのことでもないだろーと、我ながら思っちゃうのですが……アハハ/自嘲)
太平洋戦争時は大勢の方々が犠牲になりました。それこそ職業として戦の場に出て行く人も、いわゆる赤紙と呼ばれる書面一枚で抗うことが出来ずに集められた人も、空襲や決戦の折りにお亡くなりになった多くの民間の方々も。
では靖國神社にいらっしゃると言われている「英霊」と称される方々の定義は? これは民間人を除く方々かな、と……ニュアンス的に「わかる」、になります。
わたしの拙い考えの結論からいうと、先の戦争にかかわって戦闘服を着用して被弾したり餓死してしまわれた方々はすべて「英霊」になるだろうと。
元軍人さま(苦笑)や、それに連なる階級の人たちが、国家から与えられた職務を遂行できたのも郷里に戻ればそれぞれに職業があり、家庭やささやかな暮らしがあった招集された民間人がいればこそでしょう。
また、丙種合格以外の男性たち……赤紙一枚で否が応でも戦地に赴かざるをえなかった伴侶や我が子を支えていらした女性たちも、もちろん。エリート軍属の人たちの見えない駒であったと思います。
そういったすべての、当時の我が国で生きていた方々の痛みや命の犠牲によって、いまの自分たちは生かされているのだと思うんです。
もちろん日本国土の上で敵機敵兵からの行為によって、命を落としてしまわれた方々に対しても……わたし個人的には「英霊」と名付けてもかまわないのではないのかなぁ……と感じてしまう。
だって身を挺して
(あはは、厳密にいうと違うんですけれどもね。兵役に就いていらっしゃらない方々は。あっ、決して差別ではございません)
余談ですが、わたしの片親側の祖父はたしか農業に従事していたけれども、出兵して亡くなったということ……それから、そちら側がきっちりと生きていてくれたならばわたし自身も今頃は、もう少しマシな人生を歩んでいただろうと思います、ほんっと。
わたしの目線から感じることは。
国家のために犠牲になった若者も、多少なりとも縁あって彼らを支えていた人たちも。すべて等しく『いまの日本の礎』として捉えつつ、厳粛な気持ちで終戦の日を迎えたいです。
昨年は靖國神社や大刀洗平和記念館を訪れ、今月中旬に鹿児島の知覧平和記念館に寄らせていただく予定でおります。
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