第56話 労働基準法


「我が社が労働基準法違反の疑いがあるということで匿名で労基署に通報されました」


 突然、オフィスにアリサが来て、オフィスにいた社員を集めると、驚きの言葉を口にし始めた。

 労基署に通報。

 確かに労働基準法をうちは守ってないが、まさか労基署に通報される日がくる日が来るとは。


「この中に裏切り者がいます。これを見てください」


 常ならほとんどお世話になることのない機関の名前を聞いて、ついていけずにいると、いつごろ仕込んだのか会議に使われるプロジェクターが映像を写し始めた。


『情報ライブライブ屋! 今日はなんと有名ダンジョン配信事務所で過去類を見ない労働基準法違反が発覚しました! VTRどうぞ!』


 有名コメンテーターがうちの事務所の写真を背景に概要を説明すると、VTRが再生され始めた。


『半年不眠不休で働き続ける社員のタイムカード……。 そしてダンプロ社員に突撃インタビュー浮かび上がってきた驚きべき実態……。女性社員Tさん「仕事をミスしたら不眠不休で働く上司と一緒に働かせられて」』


 俺のタイムカードと顔にモザイクが掛けられた大火がインタビュー応じる様子がVTRとして再生される。


「我が社の機密を漏洩させて、あまつさえインタビューに応じるアホがここには写っています。これは立派な背信行為です。10数えるうちにアホは私のもとに出頭しなさい。10、9ーー」


 アリサがカウントダウンを開始すると、5に差し掛かった時点で大火がダッシュでオフィスの入り口に向けて逃げ始めた。


「あ!?」


 入り口に差し掛かると大火が驚き声を上げるのが聞こえ、屈強な社員2人に拘束された。


「社長室でゆっくり話しましょうか」


「そ、そんな横暴ですよ。別に正直に話しただけじゃないですか」


 することは済んだというようにアリサがオフィスから離れ始めると、屈強な社員2人がその後を大火を連行しながらついていく。

 そのまま大火が連行されるかと思うと、携帯の着信音がなり、アリサが電話に出た。


「もしもし、ダンプロです。協会長、苦情なら後にしてもらいますか。……条件次第で今回の件をもみ消すのに手を貸すですか?」



ーーー


よろしれけば、フォロー、いいね、星お願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る