第6項

夏の始まりが近づいてきている。


日ごとに長くなる太陽の滞在時間。

湿度計は62%を指している。


変わらず朝のニュースは報道とエンタメの間をさまよっている。

ここまでくると、笑えてくる。少し愛おしくさえ思えてくる。


お気に入りのピーベリーコーヒーは深煎りを注文するようになった。


コーヒーを入れたグラスは汗をかいている。

机には円状の水たまりができている。


相変わらず慣れた手つきで髪を束ね、身支度を始めた。

以前より、髪が伸びていた。


玄関を開け、まぶしさに目を瞑りそうになりながら変わらない日常へ足を踏み入れた。

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