港町
夏洲(かしま)
第1話
ー港町ー
君の
夜をくれないか
近寄ると
タバコの香りが
染み付いた
街灯に
翳りがよく似合う男がいた
その道筋は
JAZZが潮風を呼んで
男も女も寄せてくる
ストッキングの破れを気にしていると
引き寄せられた
やはり
外国タバコの
香りと
乾いた肌
夜は、いま来たばかり
港の早い、夜明けまでも
未だ少しある
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