No.014
南国育ちの君からの手紙は、きっと君は一度も見たことがないであろう雪の結晶の便箋が使われていた。
無邪気に雪国に思いを馳せる可愛らしい文字は粉雪のよう。けれどそれは積もれば積もるほど僕らの距離を遠ざけるのだ。
真冬の夜に凍る指でしたためる、簡素な封筒の、その色、スノウ・グレー。
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