No.012
ブランコから笑い声が消える。
影が長く長く背を伸ばす頃、「帰ろう」と言ったのはどちらからだったか。
もう繋ぐ指もない街角に、戯れに過去が手招きする。
ジャングルジムに置き忘れた、人待ち顔の小さなポシェットの、その色、センチメンタル・オレンジ。
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