No.002

見栄を張った給料三ヶ月分の輪っかは呆気無く帰って来た。

僕の指より小さめのそれは、手に入れた時と変わらぬ光。

握りしめたまま僕は思う、


「神様、ちょっと酷すぎやしませんか」


死後硬直の肢体にキスを落とす、その肌の、その色、コールド・シルバー。



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