第4話 資料整理

「おーいニカイドウ」


「あ・・・な、なんですかこんな朝早くに」

「いやいやもう集合時間だって」

「え!?」

「たはー・・・まあいいから早く準備して」

「す、すいません」

セカセカと準備を行い部屋の前で待ってくれているトウマの元へ行く。


「寝坊だなんてすいません」

「いやー気にしないで 力仕事だったしね昨日」

「いや・・・まあ・・・申し訳ないです」

「まあ今日は整理をするだけだし時間なんていいんだけどさ」

「はい」

「行こうか」

頷きトウマの後をトコトコとついていくニカイドウ。

資料の整理という事で身の危険は無いだろうと考え1ヵ月前にあった溺れそうになったような危ない事はしなくてもよさそうだと考えると整理という言葉がかつてないほど好きになっていた。


「はいはいついたよ あー・・・まあ博士の資料整理だから」

「資料整理ですか?まあ何も分からないので指示してもらえれば」

「うんうん 従順でよろしい」

「危なくないから整理とかは大好きです」

「ははは まあSCPじゃないからね」

「まあ始めちゃいましょうか」

「そうだね」

扉を開けると博士であろう人がおり席で何か作業をしていた。

こちらに気づいていないようでトウマが挨拶をするとようやく気付いたようで、こちらに目線を向けトウマに指示を出す。


「あっちの扉が資料室だから番号順にリスト並べたり綺麗にしたりしてね 私少し博士と話しとくからさ」

「あー・・・分かりました とりあえず書類関係綺麗にしておきます」

「そうだね よろしく」

トウマと博士は何か話しているが聞かない方が身のためだろうと考え足早に資料が置いてある部屋に向かった。


「うわぁ・・・埃まみれ とりあえず天井から綺麗にしとくか」

ぱたぱたと叩きを使い埃を落としたり本をどかして綺麗にしていく。

1時間ほど経過したがまだまだといった様子でニカイドウは肩を落としつつも今日の食事の事を考えながら作業をしていく。


「うお!?・・・いってー・・・あ?」

下に落ちていた書類を踏み転んでしまったが書類を見るとトウマに似ているというより若いころのトウマであろう写真が貼ってある書類が見つかった。

バインダーから外れたのか横に書類が落ちていた。

悪いとは思いつつも目を通してしまった。


2019/07/05

レベル1職員:トウマ

身長:130cm 発育に関しては平均的な体系

本実験では今回新たに見つかったSCP-(現状不明)を少量使った場合年齢をどの程度加速することができるか使用する事とする。

被験者にはクラスsafeの筋力増加と伝えてあり同意を得られているが、本SCPにおける錠剤一粒で70歳は年を取ることが確認されているため7分の1程度を摂取させ10年分加速させることができるか検証をする。

被験者は現在11歳のため推定21歳になる計算である。


「は・・・?ちょっと待てよ今2023年だからトウマさんは遥かに年下になるのか・・・?やっぱり何かあったのか・・・もう少し見てみよう」


2019/07/05

レベル1職員:トウマ

実験開始5分

被験者には何の変化も見れず元気な様子がうかがえる


実験開始10分

後10分ほどで効果が起きるはずだが、若干の背骨の痛みを訴え始める


実験開始20分

背中の疼きを訴えている途中に徐々に体つきが変わっていく。

身長が遥かに伸び、服が胸部のふくらみに寄り裂けてきた。脂肪がつき太っているわけではなく純粋に成長をしており栄養もなくただただ成長している。

見た目が30代のような見た目になっている。


実験開始30分

どこも出血や怪我などはしていないはずだが助けを求めているためレベル2の男性職員を送るとその場で服を脱がし性行為を無理やり始めてしまった。

報告書には無かったがかなり強力な媚薬が盛り込まれていたようだ。


実験開始5時間

性行為がやっと終わり落ち着きを取り戻し服を着はじめ謝っているようだ。

男性職員は疲れて果てているようで倒れこんでいる。

被験者が泣き始めるも万が一があるためそのままにしもう3時間様子を見る。


実験開始8時間

危険性は無い物と考え指定場所に本SCPを保管させた。


実験終了

薬の量で年齢が加速するという事が分かった。

発情するプロセスはまだ不明だがこちらも量による変動があるものと思われる。


「・・・トウマさんは今本来15歳とかなのか」

「ねえニカイドウそれ見てどう思った?」

「!?・・・いつからそこに・・・?」

「まあ・・・別にいいけどさ 私はまだまだ子供なんだよね」

「なんかすいません」

「いやいいよ まあ恥ずかしいからそれ閉まってよ」

「あ!・・・はい 何も見てないので大丈夫です」

「ははは 30過ぎた私なんて何とも思わないでしょ?」

「いや・・・まあ・・・ははは」

「なーんか傷つくな」

「・・・作業に戻りますね」

「うん そうしよっか」

どこか気まずい雰囲気のまま作業をこなしていく。


「あの・・・」

「ん?」

「トウマさんってなんであんな実験を?」

「あー・・・私住んでたの海外なんだけどSCPで村が無くなってココで保護されてたんだよね 役に立ちたいって思って実験体に立候補したらこうなったの」

「思考も大人になったんですか?」

「んー・・・なんだろうね いきなり大人みたいな考えになって考えが色々変わったね 成長するだけでも考えが少し変わるんだろうね 元々本とか一杯見てたからそれもデカいかもね」

「はー・・・実はまだ子供ってのも驚きですが凄い成長したんですね・・・」

「なんだか言い方がいやらしいよ ニカイドウの方が子供なんじゃない?」

「なんだか不思議な感覚だ・・・」

「まあいつも通りでもいいし今後は任せるよ」

「いえ、今まで通りトウマさんでお願いします」

「そう? じゃあよろしくね」

「よろしくお願いします」

その後4時間ほど掃除を行い資料をまとめ博士に挨拶をしてその日の仕事を終えた。


「ご飯いこっか」

「そうですね」

食堂へ向かう2人の姿は今までと何も変わらず関係は何も変わらず一か月の間で確かに結ばれていた絆は固かった。

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