第286話 これが世界の壁
安全地帯が狭まるにつれて、やはり戦闘も激化し始める。
あらゆるところで戦っているため、少し動きを間違えれば火の粉を舞うのはこちら側だった。
出来るだけリスクを減らしつつも、撃てる敵はどんどん撃っていった。
『こっちの敵めちゃくちゃHP削れてます!』
endmがあらかた削った敵を俺が仕留めていく。
彼女はひたすら新しい獲物を見つけては俺にパスしてくる。
ただ、そのエイム力には誰も勝らずそこまで苦戦もしなかった。
そして入った終盤戦。
キル数は8キル。
デュオ大会の第1試合目と考えれば別に悪くない。
ここからのキル数にもよるが、全然トップを狙える。
「どうする?こっち行くか?」
敵が少ないが遠回り、ただ不測の時代に合わせる時間があるかどうか分からない。
一方で敵が多いところを突っ切る作戦もある。
これは言うまでもなくリスクが高すぎる。
『うーん……どうしましょう』
流石の彼女も大会ということを意識していた。
いつもならほぼ間違いなく後者を選択していたが、流石に悩むところだった。
正直1試合目から飛ばす必要もそこまでだった。
『遠回りで行きませんか?様子見も大事だと思いまして』
「了解!行くか!」
ここで前者を選ぶあたり、endmもバカじゃなかった。
別に後者でもおかしいわけじゃないが、敵数が少ないと読める方を選ぶのが得策だ。
「まあ居るよね~」
ただ敵が居ないなんて言ってない。
もちろんこちら側を選ぼうと敵と対峙する。
『こっちにまわりますね』
とendmが敵の後ろを突くように移動する。
俺は悟られないように2人のヘイトを全集中で向かせる。
「あ~案外調子良いかもな」
サブマシンガンを撃っているが、想像以上に当たってくれる。
1人の敵が引いたタイミングでもう片方が詰めてくる。
ただサブマシンガンの弾がない、リロードするタイミングもない。
「ま、俺なら行けるよね?」
自分に言い聞かせながら握ったのはスナイパーライフル。
距離はざっと…射程圏内。
相手の持つ武器はアサルトライフル。
撃たれた弾を避けながらの射撃、少し難易度は高い。
だがそんなところで引っかかって躓く人間じゃない。
ここは世界を目指す者たち、実力に抜けがあるのは失格だ。
「これは行ったな」
全ての状況を加味して、照準を整えつつ引き金を引いた。
銃口から放たれた弾は敵の頭の付近に向かう。
この状況では当たらないだろう。
ただ敵が動くことを計算に入れていたら話は別だ。
一定周期で後ろに少し足を下げるそのタイミング。
そこで頭に銃弾がヒットするのだ。
「よし!そっちは行けそう?」
『行けます~!!!』
半分以上削っていた敵にendmがとどめを刺した。
もうこのコース上に敵が来ないかな……?
そう思った矢先だった。
「あっぶね!!!あっちだ!」
突然飛んできたスナイパー弾。
銃声と同時に直感で動いたのが正解だった。
『少しずつ来てますね……』
まじかよ。
割と距離があったのにそれでも詰めてくるのか?
「どうする…?もう下がるのもありだぞ?」
今なら身を引ける気がする。
決断するならこのタイミングしかない。
『いや、これは行きましょう…行くしかないです』
彼女は下がらなかった。
ここは勝負を付けに行きたいようだ。
「分かった。」
俺はendmに乗っかった。
特別ここが絶対下がらないといけないポイントというわけでもなかった。
現に1試合目だから多少の判断ミスはご愛敬だ。
『奥側がスナイパーぽいですね。手前がどんどん攻めてきています。』
少し身体を乗り出してそう告げた。
「手前は任せた」
『了解です!』
エイム勝負はそちらの本業だ。
奥のスナイパーと1対1で向き合うしかない。
endmは素早く動き出し、俺は岩陰から少し頭を出す。
「あそこか……なるほどな」
若干当てにくい場所に居た。
きちんと射線を管理しつつも、自分が不利にならないような位置取り。
これは結構腕のあるやつな気がする。
「っと、上手いな……」
一発、俺の横を弾が通っていく。
ギリギリで躱したが、本来なら当たっていてもおかしくない弾だった。
『強い……なにこれ…』
横を見るとendmは押され気味だった。
流石にピンチと言わざるを得なかった。
俺も手が離せない。
下手に動けば頭を抜かれてしまう危険だってあった。
「頼む、頑張ってくれ」
それしか言えないことに申し訳なさを感じつつも目の前の敵とまた対面する。
相手は確実に俺らを仕留めるつもりだった。
弾がその殺意を表している。
引くつもりは無さそうだな……
「やっば!!!」
頭は逃れたが胴体を抜いてきた。
どうやら当てることだけに重視してきたらしい。
ダメージ量が多い武器を使われていたから、余計にダメージを受けてしまう。
『すみません!!!』
と、ここでendmが倒れてしまう。
敵はすぐさま俺の方へ駆け寄ってくるだろう。
ここはどうするべきだろうか……
うーんと頭を捻った末に出た結論はスナイパーライフルによる一撃逆転しかなかった。
敵の来る場所を想定して、頭の位置を調整した。
これなら今までの経験上かなり当たりやすいんじゃないか?
わんちゃん………
そう思った幻想は、そのまま幻想として葬られた。
敵が出てきた。
俺はそれをチャンスだと思って、スナイパーライフルを撃つ。
ただそれが必ずしも勝利の引き金では無かった。
「なっっ!!」
敵側が握っていた武器、それもスナイパーライフルだった。
照準はおそらく俺の頭に向いている。
目が合うと、俺と同時に引き金を引いた。
明らかに驚きからの動きではなかった。
そしてその弾は俺の頭を貫通する。
これは偶然ではなく必然的な動きだった。
順位もぼちぼち、そして10キル。
「まじか………」
1試合目で10キルは正直想定を上回るレベル。
ただ、何か喜べる気でなかった。。
『なんですか……この人たちは』
世界のレベルを知ったのだ。
俺らはここまでの試合で全てを知ったつもりだった。
でも違う。
この場面で、AQUAとZeepに俺たちは撃ちのめされたんだ。
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【後書き】
まずは投稿が空いたことに関して謝ります。
本当に申し訳なかったです!!!!
言い訳しかないのであまり説明しません。
とりあえずこれからも投稿ぼちぼち頑張ります!!
他に感謝したいこととかたくさんあるので、それは近況ノートにまとめています。
これからもよろしくお願いします!!
追記)知らぬ間に星2700っていう驚愕の事実に震えてます
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