世界でも注目されている元プロゲーマーは、隣の幼馴染のせいでVTuberになる

白崎 奏

序章 プロローグ

第1話 あ、プレイ映ってたの?

この世界には色んな職業がある。

だがその中でも少しずつ浮き上がってきたのが【プロゲーマー】


かつてないほどの熱狂を浴びせ、ゲーム界隈を盛り上げる主役。

中学生からでもその主役として頂点に立ち、そして世界から注目を浴びる。


そしてまた彼もその一人だった。




カチャカチャカチャ…


俺は、坂峰さかみね 海斗かいと

高校一年生。



俺はVRとキーボードマウスが融合したゲーム、【world war】というゲームをしている。

物影に隠れながら銃などで攻撃するfpsゲームだ。


「よし、ランキング5位まで上がれた…」


『おめでとう、blanc《ブランク》』


blanc、それは俺のゲームID



「ああ、ありがとう。lucus《ルーカス》」


lucusは僕のゲーム友達だ。

通話ではあるがよくゲームをしながら話す友達の一人だ。


「今日はここまでにしとこうぜ?」


俺はそう言うと、ゲームを閉じる。


『おつかれ、どうだ?大会に復帰する気になったか?』


「いや、全然」


俺は元世界一位だ。

第一回大会で1位を取ると二連覇という記録を作った。

だが、第三回大会から最近あった第七回大会までは参加していない。

色々あったから…


『そうか、じゃあまたやろうな』


そう言うと通話が切れた。



明日が休日なのを良いことに一日中ゲームをしていた。

そして、ゲーム内ランキングを上げていたのだ。



はあ、一人暮らしになってからもうだいぶ経った。

自由にはなったが、生活バランスが崩れそうだ……

部屋のカーテンを開けると、とっくに太陽は登っていた。

時計を見ると11時を過ぎたあたりだった。


お腹すいたし昼ごはん作ろうかな?

そう思いつつ冷蔵庫を開ける。


(野菜が少ないな)


一人暮らしをするようになって最低限の生活知識は覚えた。

そして野菜もしっかり取るようになった。



とりあえず家を出る。

スーパーに行くと思ったか?違う。

俺の場合は、


ピーンポーン



「野菜が無いからもらうぞ」



返事はないが、ドアの鍵は開いている。

あいつもよくチャイム無しで入ってくるので、入っても問題はない。


さてと、野菜は、っと…

この家の冷蔵庫は意外と品ぞろえが良い。

今度また、お金を渡そう。


いくつかの野菜を手にとって戻ろうとしたとき、部屋のドアが空いていることに気が付いた。

申し訳ない程度に少し覗くと、


(寝てる、のか?)


彼女はモニターの前でヘッドホンをしながら寝ている。

モニターには配信画面が着いているので、配信でも見ていたんだろう。


もう一つの画面には、最近人気がある【end world】と言われるfpsゲームが付いている。

おそらく、途中で寝落ちでもしたのだろう…

きれいな寝顔で眠っている。

普通の男なら変なことでもするかもしれないが、俺はそこまで興味がないので無視だ。

だが別の事に興味があった。


「少しだけやってみようかな…」


彼女に触れるわけじゃない。

俺はそのやっているゲームに興味があった。



取った野菜を近くの机に置いた。

そして近くにあった椅子を持ってきて隣に座る。


少し夜音を動かして、自分がモニターの前に座る。


「マッチ中に寝たのかよ」


そう思いつつ、少しプレイしてみる。


そこまで俺がやっているゲームとは変わらない。

なのですぐコツを掴んだ。


「まあこのマッチだけしたら帰ろ」


―誰?こいつ

―誰だ?

―男だ

―男!?

―え?

―乱入!?


「よし、とりあえず1キル、と。このゲーム、そんなに難しくなさそう」


いつもより弾が大きく感じるため、当てやすい。

スナイパーも偏差が小さくて打ちやすい。


「よし、これで6キル目と」


後1人倒すと1位になる。


そしてそのまま、余裕で1位までたどり着く。


―何者?

―えぐ、それ当てんの?

―ほぼ弾吸い付いてるw

―何か上手くね?

―もう1位?

―あれ、これ一応大会だよね?

―大会中に本人は寝て別の人がやり始めるとか

―やっば!



「さてと、ご飯作ってやるか…」


よくよく考えたら、ここで作ったほうが手間が夜音は少なくなるだろう。

どうせ彼女は俺の家にご飯を食べにくる。

自分の家にあった材料をすべてこっちに持ってくる。


とりあえずキッチンで昼ご飯でも作っていると、夜音が起きてきた。


「あ、海斗。おはよ」


「もうこんにちは、だけどね」


俺は苦笑する。


この女は赤坂夜音。

隣に住む幼馴染みだ。

小学校から高校まで同じ。

今はどちらも一人暮らしで、色々あって隣に住ませることになったらしい。


「ご飯作ってくれたんだ。ありがと」


彼女は笑顔でそう言うと、椅子に座って食べ始める。

俺も向かい合う椅子に座って食べ始める。


「あ、そういえば」


「ん?」


夜音はキョトンとこっちを見る。


「勝手にお前がやってたゲームしたけど良かった?」


俺が流れるようにそう言うと、夜音のスプーンを持つ手が止まった。

彼女の表情を見ると青ざめていた。


「少し待ってて、すぐ戻るから」


そう言うと部屋に急いで戻った。



僕はカレーを食べ終わって、夜音の家のリビングでくつろいでいる。

と言ってもテレビを見ているだげだが…

夜音はなかなか。戻ってこない。

けど、いつか戻ってくると思い、あんまり気にしていない。


「あ、はい。分かりました。すみません」


夜音は電話しながら、部屋から出てきた。


「なんかあったの?大丈夫か?」


俺は夜音を向いて聞いた。


「全然大丈夫じゃない」


電話が終わり、俺にピシッと指先を向けてきた。


「あのね、ちょっと言いにくいんだけど」


俺は黙って話の続きを待つ。



「私、実はVTuberをやってて…」



は?



「は?」



心の声が漏れてしまった。

あの夜音がVTuber??

いつも笑顔で一緒に遊んでくれていた幼馴染が?

いや冗談でも笑えない。


「で、今さっきまで配信をしていたんだけど、途中で寝落ちしちゃって」


「…」


「だから、海斗のゲーム映像と声が入ってて」


すごく言いにくそうに夜音が言う。


「実は今、トレンド1位なの…」


トレンド1位か、そうかそうか………え?

急いでトレンドを確認するためにスマホを見る。


トレンド1位は《プリーム》と表示されていた。


「プリームって何?」


「それが私…」


「ええええええええええ!」


俺は今年一番で驚いた。

隣の幼馴染みが配信者?

どんなラノベ主人公だよ。


「それでね、マネージャーがプレイ映像を見て、」


ゲームで結構キルできたやつか。


「色々あって、海斗にも、その、VTuberになってもらいたくて」


「はあああ!?」


急にもVTuberだと!?

今俺は、プロゲーマーとして配信している。

その事はおそらく彼女は知らない。

確かに急に配信中に男の声が出たら困惑は広がる。

そういう要素もカバーするために、言ったんだろうけど…


ちょっと困惑しか広がらないので、


「えっと、少し考える」


そう言って、家を飛び出して自分の家に戻った。


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【後書き】


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実はこれ処女作なので、変な部分が多いです。

あと他の作品とは書き方がなんか違うなって、

作者自身も気が付いてますが、温かく見守ってください。

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