第2話 ワンワンとコウモリさん
こんにちはワンワンです。今日は新しい友だちができました。
夕方の散歩の最中に通りがかった公園のトイレのかげに黒い「染み」のようなものを見つけました。でも臭いは確かに生き物の臭い。トクトクトクと心臓の音も聞こえるし。首をかしげながら、警戒しながらもう少し近づいてみました。やっぱり生き物の臭い、クンクン。
「!!!ワー!!!」
黒い「染み」が突然目を開きました。びっくりして心臓が止まるかと思った。
「びっくりしたのはボクだよ」
その細長い生き物はさらに大きく目を大きくして話しかけてきました。
「びっくりして目が覚めてしまった」
「あなたは誰ですか?ワン」
「ボクはコウモリと呼ばれています。おやっ?キミのことは知っているよ。ワンワンくんだよね」
「???なんでボクのことを知っているのですか、ワン?」
「ここら辺りで暮らしているコウモリたちにとってワンワンくんは人気者だよ。フワフワの毛が気持ちよさそうだから、一度ワンワンくんの背中で寝てみたいってみんな言っているよ」
たくさんのコウモリさんが背中にとまってくるのは困るけど、人気者と言われて悪い気はしません、ワン。
「コウモリさんは、いつもそうやって壁にしがみついているのですか?」
「うん。ぼくたちは夜に空を飛んで生活しているから、昼間はこうして暗いところを見つけてねているのだ。それで日が沈むころに目を覚まして、夜の涼しい時間に空を飛び回るんだよ。空から見る夜の街はきれいだよ。一度ワンワンくんにもみせてあげたいな」
シュンくんが空に浮かぶ風船をたくさん集めて空を飛んでみたいと話していたことがあったっけ・・。そんな感じかなぁ。
その時ご主人さんがリードを引っ張ってきました。「さあワンワン、もう行こう。コウモリに興味を持つなんてお前もコウキシンオウセイだな」
「もう行かなくちゃ、じゃあ、コウモリさん、またね」
「うん、また会おうね」
空を飛ぶのは楽しそうだなぁ、でもボクを持ち上げるとなるとコウモリさんたちが大変そうで悪いなぁ。それはさておき、今日は楽しいことがあった。今日も良い一日。ワン
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