第26話死神の役目

実家の公団住宅バルコニーは狭くもう私のモノと言いたげに身体を預け、「良いことしよう?」と迫る。大人二人が並べばピチピチの窮屈なサイトとなる。

「悪運の強いヤツだねえ。」死に神界には悪運の強い人間を見放すという掟があった・・・。 

 見放すと、いっても直ぐには死なない。

死ねないのだ。だから死に神はお呼びで無い。

 死に神の仕事が無かった・・・。

 タナトスとリンバは人間が死なないから登場のしようが無い・・・。

死んで人生の最後を終える時、やり直したい人生の一部を人間の脳から読み取り、その内容を閻魔会議に掛けて沙汰を仰ぐといったプロトコルで死に神界は成り立っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る