Episode04-03 七等穢界と現在の実力
「
以前は「六等穢界」の入口付近が最高到達点だったが、9月のアップデートで「パーティー制」が導入されてから一気に攻略が進んだ感じだ。
ちなみに、この「
その内、「クローズドβ組」は、俺の爺ちゃんにもお誘いが掛かったように、どうやら「式者」や「式家」とよばれる「その筋の人達」が中心の模様。だから、以前出会った黒髪超絶美少女こと「
ただ、このクローズドβ組は掲示板上に滅多に書き込みをしない。だから、掲示板上の情報の最先端は「オープンβ1期組」ということになる(ちなみに、俺は「オープンβ2期組み」に相当するらしい)。
それで、「オープンβ1期組」のレベル状況だが、「レベル・ステータス報告板」によれば、大体Lv20くらいが最先端の模様。一方、「クラス考察板」によれば、選択された「
今は「パーティー制」が出来たばかりなので、
まぁ、俺の場合は彩音とのコンビでパーティーを組んで安定しているので、クラス変更は考えていない。
ちなみに、俺の今の状態はこんな感じだ。
*******************
八神 迅 26歳 男性 Lv:14
クラス:陰陽学生 ★★☆
身体障壁:189/189
法力:158/158
穢れポイント:0
状態:普通
浄化ポイント:200
能力ポイント:30
*******************
筋力 32(+10)
体力 31(+10)
敏捷 32(+11)
知力 30(+12)
霊力 41(+03)
神威 06
装備:
「8MGOODS」カーゴパンツ、シャツ、スニーカー
須波羽奔・形代(攻撃力+50、対霊+50)
アームプロテクトホルダ
田貫の脚絆(身体障壁+10、敏捷+1)
身体障壁189(+20)
法力 158(+10)
クラススキル:
陰陽学生の心得★★☆
呪符術★★☆
「破魔符」「鬼火符」
単結界★★☆
「
使鬼召喚★★☆
「蛍火」「神鳥」
小者の心得★★★
スキル:エミの加護(封印中)
鬼眼 ★☆☆☆☆
霊剣技★☆☆☆☆
*
*******************
実は、あれだけ大変だった「神界」の修行を経てもレベルは1つも上がっていなかった。だから、これを見た瞬間は相当ガッカリしたが、それでもよくよく中身を確認すると、レベル以外の場所が大きく変わっていた。
具体的には、ステータスの数値(筋力・体力・敏捷・知力・霊力・神威)が全体的に5~6程度上昇していた(ただし神威は+1だけだった)。これまでの経験から考えると、この数値の上昇はレベル8~10アップしたのと同程度になる。
ちなみに、公式掲示板の「レベル・ステータス報告」板の情報と照らし合わせると、他のLv14の人と比べて、俺のステータスは2倍以上高い感じになっていて、一番数値の高いLv21の人よりも高かったりする。しかし、これは「エミの加護」による補正値のお陰だろう。ただ、霊力だけは補正を抜いてもかなり高く、その一方で神威は報告がある数値の中でも最低の数字以下だから、その辺が俺のステータス上の個性といったところだろう。
また、クラススキルの関係は全く伸びていないが、スキルの方は「直感」「看破」「気配察知」が消えて、「鬼眼」に統合された模様。更に新しく「霊剣技」というものが現れていた。新登場した「霊剣技」は、恐らく剣に霊力を纏わせて相手を斬り付ける技の事で、「穢斬の薙ぎ大刀」などが当てはまると思う。
さらに、変化がなかったクラススキルだが、その元になっているクラスの方には変化があった。具体的にはクラスチェンジで選択できる項目の中に「退魔剣士」というものが増えていたのだ。
この「退魔剣士」なる「
だから、この「退魔剣士」もある種のレアクラスなのだろう。
ただ、今のところ「退魔剣士」は表示が出ているが選択は出来ない。そもそもクラスチェンジに必要な能力ポイントは50ポイント(今の俺は30ポイントしかない)で、
――クラスチェンジの条件を満たしていません――
と表示されるので、おそらく現在の陰陽学生を「★★★」にしなければクラスチェンジが出来ない(と思う)。
だから、目下の目標は
(レベルを2つ上げて、陰陽学生の習熟度をコンプリートする)
と言う事になる。
ただ、この1週間ほど「八等穢界」に通ってみたが、レベルが上がる気配が一向に感じられない。だからこそ、より高位の「七等穢界」へ入ってみようという気になったのだ。
*******************
「――ここか……」
自宅マンションからバイクに乗って国道を跨ぎ、しばらく走ったところに目当ての「七等穢界」がある。
場所は、幹線道路沿いの空き地。正確には潰れたラーメン屋の店舗がそのまま放置されている場所だ。
場所としては客が入ってもおかしく無い立地だが、俺の記憶によると、この場所はコロコロ店が変わる場所だった。大体、新規開店から1年も持たずに潰れてしまう。そんな場所だ。
俺は夏の間中、手入れも無しに伸び切った背の高い雑草の茂みにバイクを隠すように停めると、店の裏側へ回る。そして、物置と撤去されたエアコン室外機の設置スペースの間に挟まれるように存在する「黒い渦」を認識すると、スマホを操作。
アプリを立ち上げて、手早くアイテムから装備を取り出して装着すると、
――七等穢界を確認しました。穢界へ侵入しますか? はい/いいえ――
という表示の「はい」をタップ。
瞬間、強烈な眩暈に襲われ視界が暗転し、次に目を開けると――
「ここは……こんな感じか」
俺は、一面が枯れススキに覆われた原っぱに立っていた。
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