12月22日(夕)
幼馴染の亜紀はどさくさに紛れてムニムニしてくる
「あーもう、あいつ一体どうしたんだよ……」
あたしは机に広げたノートに肘をついて愚痴を垂れた。
恒例となっている亜紀の家で宿題を片付けている途中。そろそろ宿題が終わりそうな頃、ふと思い出したお昼休み時間の事だ。
この間4人で行った遊園地で、あたし達の後に乗った悠木涼と凪沙が何故か観覧車から降りた後から、不穏な空気を醸し出していた。
事実、悠木涼は理由はわからないがお互いを恋に落とす事を辞めたと言っていた。
そのせいだろう、次の月曜日からお昼を一緒に食べなくなった。
また以前のように凪沙と2人だけのお昼休みを過ごすのは別に良いとして……
落ち込んでいる凪沙は何故か未だに悠木涼の分のお弁当を作ってきている。それが問題だった。
「今日は涼さん学校にも来なかったけど、どうしたんだろうね?」
「さぁな。別に2人のことだし、あれこれ言いたくないけど……別にお昼くらい一緒に食べたっていいだろうに……」
私はお腹をさすった。
「ちさきが代わりに食べてるもんねお弁当」
「凪沙のお弁当美味しいんだけどさ……」
「涼さんが食べる量をちさきが食べてるの?」
「そう。あいつ運動部だから量が多いんだよ。おかずが入った弁当箱とおにぎり二つだよ?毎日お腹ぱんぱんだっつうの」
流石に夕方にはお腹もだいぶ治ったし、そろそろ夕飯の時間ということで逆に空いてはきている。
亜紀があたしが座っている隣にやってきて上から下まで観察するように視線を動かした。
「ちさき。ちょっと太った」
それだ。運動部と同じ量を食べているんだ。帰宅部のあたしが食べていたら当然カロリーは消費されずに脂肪として蓄積されていくことになる。
「凪沙のお弁当無駄にできないだろ……」
特にお腹周りが非常に気になる。そのうちスカートが履けなくなってきてしまっては大問題だ。
亜紀があたしのお腹を見て固まっている。亜紀の部屋は暖房がつけられて暖かいからブレザーを脱いでシャツとスカートだけになったのがまずかったか。毎日会っている幼馴染は少しの変化も見逃しはしないみたいだ。
亜紀がスッと手を伸ばしてきた。急な手の動きにあたしは反応するのが遅れた。
「こことか…」
ムニっと亜紀の手があたしのお腹を摘んだ。
「うひゃあぁぁ!!!」
「これは……きてるね」
ムニムニ
「やっ!!やめろぉ!!」
あたしは亜紀の手を払った。あたしのお腹をムニムニするんじゃない!!
「あ、ここも少し……」
亜紀はあたしの制止を気にする様子もなく(さすが幼馴染!)太ももに触れてムニっとしてきた。
「あっ……んっ!!」
「!!」
あたしの顔を見て徐々に頬が赤く染まっていく亜紀が目を見開いて固まる。
あたしも顔に熱が溜まっていくのがわかる。非常によろしくない声を上げてしまったと思う。太もも、特に内腿が弱いあたしに亜紀がムニっとしてくるから!!前は触るだけだったけど、今回はムニっとしてくるから!!
心の中で言い訳を並べていると、亜紀の口元がニヤリと微笑んだ。
やばいと幼馴染アラートが警告を発している。
「ほら、少し肉ついたからこんなにつまめるでしょ?」
「んっ!!あ……」
太ももを優しく撫でたと思ったらそのまま内腿を摘んだ。
亜紀から離れようと横にずれるがすぐベッドに阻まれ亜紀も追ってくるし、逃げ場がなくなっていく。
「や、やめろよ……」
「ちさきが太ったのを確認してるだけだよ?お腹周りが1番きてるね」
亜紀がお腹をおへそから脇腹の方へ優しく触ってくる。
「体重計乗ればすぐわかるから、亜紀は確認しなくてもいいんだよ!!」
「体重計だけじゃわからないでしょ?筋肉と脂肪じゃ重さ違うんだし、今は成長期なんだから身長が伸びて体重が増えることだってあるんだから」
「正論!!!」
正論すぎる言葉に言い返せなくなる。身長も測って体重と計算するBMIじゃないと正確に太ったかどうかを測れない。今は成長期だし少しくらい脂肪が付いていても問題はないと思うが、それでも女の子としてやっぱり脂肪はあまりつけたくはない。
亜紀はサワサワとあたしのお腹周りを触っている。いつまで触っているんだ……
「私はこのくらいの方が好きかも……」
「は!?!?」
「ねぇ。シャツめくっていい??」
「いや、ダメだろ……」
亜紀があたしのシャツをめくった。何も話聞いちゃいない。
「やっぱり直接触った方が触り心地いいね」
お腹を直接ムニムニとしてサスサスと触る。お腹は慣れれば触られてもなんともなくて、ただちょっと脂肪が乗ってるのが気になる……
亜紀の手は徐々に横にずれていく。横腹をムニっとされた。
「くっ!!」
「そういえば、ちさき………」
「え?」
「脇とか横腹が弱かったよね」
後ろに逃げようと本能的に体が動いた。しかし、ベッドに阻まれている。
亜紀の目がニコリと怪しく微笑んだ。眼鏡がきらりと光を反射した。
「や、やめ……」
亜紀の手がシャツの中を這い上がってくる。
脇に到着し亜紀の手がこしょこしょと動いた瞬間、あたしの笑い声が部屋中に響き渡った。
その日は亜紀が満足するまであたしのシャツの中で亜紀の手が動き回って、終わる頃には汗だくになったあたしがベッドの脇に転がった。
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